土湯越えして中ノ沢に降りていくとさすがに紅葉の見ごろは過ぎたかなという雰囲気。そろそろ(とか言いながら夏でも食うんですが)小西食堂のスタミナラーメンを・・・と思ったものの、寒いんだけど蕎麦が食いたいという胃袋の欲求に従い、中ノ沢温泉を通過して何が起きるかと言えば罰が当たります。街道から少し入った集落に「おおほり」という一軒家の蕎麦屋があり、行ってみたら満席で順番待ちの行列なわけです。まあお店のせいでもなんでもありませんが、並んでまでという執着はないのだと撤退。
執着が無いとか強がり言ってる割には、そこで小西食堂には戻れず(戻りゃいいじゃん)、そういえばもう少し先に何年か前から古民家を移築した蕎麦屋ができていたなあと、そのお店「ふじ田」に初めて立ち寄ってみました。並ぶことはないものの満席で大テーブルに相席という賑わい。でもってついいつものパターンで天ざる、と告げたらもちろんそれで通りはしましたが、この店の冷たいやつは「陶器の皿」に載ってくるのでした。水切りに自信があるってことなのかどうか、素人には判りませんが瑞々しくてのど越しの良い蕎麦です。
店員さん、なぜか盛り合わせた天ぷらの中からひとつだけ説明。
「これ、お饅頭の天ぷらです。ぜひ試してください」
あ、中ノ沢温泉に揚げた饅頭あるものな。と思ったけれど、意外路線はその隣の三角形の天ぷらでした。これなんだ?とかじってみたら、絹ごし豆腐。豆腐自体は天ぷらの素材になるけれど、やっぱり水切りが肝だそうですから、これは注目のひと品です。
実はおおほりも天ざるの有名なお店で、蕎麦より天ぷら食いに行くようなボリュームが特徴です。ふじ田はエリアの上でも競合する位置関係だけに、蕎麦の長さだとか水切りだとか、天ぷらのユニークさで挑んでいるようです。小西を素通りして罰が当たりましたが災い転じて何とやらの昼飯となりました。次回からは「てんざら」と注文するぜ。でも今シーズン次に来るときは・・・スタミナラーメンだわきっと。