HOW TO BUILD GUNDAMとHOW TO BUILD GUNDAM2が出版されてから35年にもなろうとしている今(どちらも2009年に復刻版が出ているそうですが)、お台場に自立している設定寸大のガンダム(これも2009年に建造されました)というのは、立体造形としての最先端、ある種最高峰と言えたでしょう。
HOW TO BUILD ~は、1と2を読み比べると、1だったら自分の腕でもどうにかできるプラモデル改造でしたが、2に至ってはとてもついて行けない高難度技術(当時)のオンパレードでした。
僕も80年代には、ガンダムよりもザクだったら中隊どころか大隊規模の数を作りましたが、マスターグレードあたりで部品点数の多さに根を上げ、模型からは手を引きました。そのマスターグレードですら、モデラーは一手も二手も上の改造をし続けていくのですけど、僕の言い訳としては、300円キットの人形然としたあれをどういじるか。といった楽しみが無くなった時点で、ガンダム模型に魅力を感じられなくなったのでした。
それが巡り巡って設定寸大(実物大、という言い方は適当ではないと思うのですが)が「建って」しまう時代になって、全国津々浦々で木彫りの仏像を思い思いに彫り続けていた仏師に対して、資本と政策(違うか)にモノを言わせて大仏を建立しちゃう構図を思い描いてしまいました。
そうして7年も経つと、不偏に思えたコンテンツも幕引きせざるを得ない時間の流れが巡ってくる。設定寸大のガンダムも来年3月から撤去と聞くと、いよいよ次なるHOW TO BUILD へのステップなんだろうと考えさせられます。
VRやARではない、動くガンダムへのプロジェクトが、立案から年数的に現実味を帯びてきた。技術的にはどうなんだか不明ですが、イノベーションの世界としては楽しみが尽きません。世の中じゃ実際に車からロボに変形する自動車計画(なんか変な言い方だけど)も発表されているし、作っちゃった事例もある。動くガンダムどころか自走できるスコープドッグも、僕が生きているうちに出現するのかもしれません。