スーパースージー誌上にて連載の始まった次期ジムニーに対する「外部からの提言」。そこに描かれている「外部から提案されたデザイン」ですが、これを手掛けたのがスズキでデザイナーを務めた福永辰巳さんだというところに破壊力があります。
1300ccを想定した5ドアの「カラビニエリ」(イタリアの警察軍のこと)は、軍用テイストのスタディモデルです。
これを量販車テイストにアレンジしたものが、二階堂裕さんのコラム欄にも掲載されていて、所得の上がった現在のオーストラリアではジムニーがコンパクトすぎて不人気ゆえ、1300クラスの5ドアが必要と唱えられています。やはり福永さんの提案デザイン。
努々断っておきますが、次期モデルの決定稿などではありません。あくまで誌上提言のデザインです。
ジムニー雑誌なので、ジムニーの提言は至極当然のお話です。ビターラがSX4系統に行ってしまったのだから、まともに攻めようというならジムニーを使うしかないということもわかるわけです。
だけどさ、だから言ってきたじゃないのさ。
小型車の再考(前編)とか、同(ひとまず後編)とか。
どう見たってこれらの次期ジムニー提案は、エスクードノマドの再来なんですよ。そしてそれもまた当たり前の話で、初代エスクードそのものが、「ジムニーユーザーが次に乗りたくなる四駆」として企画されたものだったのですから、巷で言われているハスラーワイドなんて方向には向かわないのです(メーカーはそう考えていないかもしれませんけど)
そこで「カラビニエリ」。そこかしこにどこかで見たことのある別の四駆のラインが見え隠れしていて、意地でも「これはジムニーであってエスクードノマドじゃないんだよ」と主張したい感じでもあります。なんだかイグニスのデザインの考え方って気がします(福永さん、イグニスにもかかわっていますし)。「5ドアキャンバストップ」も、なんとなく同様。
素直にノマド再販した方が話が早いという声は・・・まあ届かないだろうな。ジムニーで充分に売れちゃうだろうから。
四駆システムはどうなるんでしょうねえ?
求められる性能と、軽の価格帯を考えると…。
パートタイムなら話は早いのですが。
イグニスにALL GRIPつけると高くなりすぎると言う話ですし。
連載記事自体がデザインのことを書いている(いや一回目は全然デザイン論にたどり着いていないんだけど)ので、この企画はメカニズムのことには触れないでしょう。
勘違いしてはならないことは、あくまで雑誌が提案する小型車のジムニーのイメージです。
こんなのが出てくるわけではありませんね。
そうですねー。
まあでも、こうやってまだ見ぬ新型の事をああでもないこうでもないと言っている時が一番楽しい時かもしれません。
出てみたら、あれがないこれがないだの、どこそこが気に入らないだの、安っぽいだの高くて買えないだのって事になっちゃいますから。(笑)
これは視点を変えると「エスクードユーザー包囲網」なんです。
かつてジムニーユーザーからエスクードユーザーを輩出していったのと逆のことが行われようとしている。
つまりコンパクトな「四駆」がいいなら、ジムニーに回帰してこいと言わんばかりの国内戦略です。
それをやられちゃうと、そのコンパクトな四駆に乗っている身としては、次の候補がよりによってジムニーって、哀しいだけですねえ。