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  ~懲りない傾向~

縄文の女神

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今月はどういうわけか山形づくしで飛び回っていましたが、ようやっと時間の余裕ができたので、県立博物館を初めて訪ねていきまして、以前レプリカで見ていた縄文の女神の実物を眺めてきました。ストロボ発光させなければ館内の撮影は自由という「早く言ってよ」な親切展示(まあ要するにカメラ持ってなかったんだよちくしょー)

 

出土したときはバラバラだった破片を復元したもので、国宝ながら地元に置いてあるというところにも好感があります。亀ヶ岡遺跡の遮光器土偶は東京に持って行かれてますから。

実物はやはりレプリカとは異なり、材料となった土の中に石英の粒子が混じっていることや、お尻の部分を意図的に磨いた痕跡の艶があり、製作者の意図が見え隠れしていることがわかります。同型デザインでサイズ違いの別の土偶もあり、この女神だけが乳房を積極的に表現していない造形であることも知りました。

下衆な言い方をすれば、乳房のある他の土偶のそれは、ここまで作り込んでいてその乳房のカタチはないだろうという極めて高齢化したそれ。腰回りからおしりのラインと全身のプロポーションから、これらの造形の基本は高齢者とは思えないわけで、肩のラインから胸元を抽象化してしまったこの女神だけが絶妙の完成度を持っています。

山形県立博物館は、広大な山形城址公園の中にあって、この城址がまた石垣と本丸跡と掘割以外惜しげもなくこの手の施設を点在させ使い倒してしまっているのですが、イベントの無いウイークデーならばかなり奥まで車で入っていけるおおらかさに驚きです。いやほんとに弁当とお茶買って昼寝に来ちゃうよここ。

博物館の展示自体は、たとえば僕の地元の県立自然科学館などに比べたら質素なものですが、展示物のすべてが「山形県内からの持ち寄り」で成立しているところに価値があります。大人1名300円の入館料というのも親切です。

 

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