「エスクードのドアミラーはベルトラインの前端、ドアガラスを格納しても邪魔にならない部分を1段落とし、できるだけ低い位置に取り付けました。
これは基本がオフロードカーであることから、左右の下方視界を確保するための工夫でした。また合わせてこれをデザインの要素として、ボンネットフードとの連続間を持たせることで特徴づけました」
エスクード誕生30周年企画webにて、初代エスクードのデザインを担当した片岡祐司・現名古屋芸術大学教授が寄稿してくださった「エスクード誕生物語」の一節です。
このドア側の切り欠きは確かにエスクードの特徴の一つで、フラットなラインに比べれば、多少は視界の確保も可能です。が、このデザインを他社がうかつに真似をすると、後々面倒なことになるのだそうです。
このデザインと設計には、特許がとられているのです。実際に数年後、「やってまった」メーカーが出てしまい、スズキとしては思わぬところから特許使用料で利益を得るという出来事があったそうな。
そういえばデザインとはジャンルが異なりますが、「クルーガー」という商標も、スズキは「エスクード」との関連性を持つネーミングとして商標登録していたため、これを使いたかった他社に売却した逸話もありました。この関連性はしかしエスクードがどこでどう通貨単位から金貨に転ずるのかよくよく考えると無理やりだし、クルーガー金貨というのがあるにせよ、クルーガーとは「賢い」という語意なので、ほんとに使う気あったのかなあとも思ってしまうのですが。