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  ~懲りない傾向~

雷/THUNDER 

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930年6月26日、平安京は日照りにあえいでいたようで、公卿の面々は雨乞いでもせねばなりませぬなと段取りを話していたそうです。そんなところへ一転にわかに掻き曇り、雷鳴が轟き鋭い稲妻が清涼殿めがけて天と地を貫いたのであります。
この落雷によって大納言の藤原清貴と右中大弁平希世が即死したものだからさあ大変、雨乞いどころではなくなった清涼殿の面々は恐れおののき、これは太宰府で不名誉のまま死去した菅原道真の祟りだと言い出したのです。

菅原道真公は、醍醐天皇を廃立して娘婿の斉世親王を皇位に就けるという謀の嫌疑をかけられ、大宰員外帥に左遷されていますが、この嫌疑は道真の出世を疎んだ藤原時平の策略だと云われています。
この事件が発端となり、朝廷に祟りをなしたと見なされ、一転して天満天神として信仰の対象となり、学問の神にまで祭られていくのですが、祟りの根拠のひとつがほかならぬ雨乞いについての逸話で、左遷以前に畿内地方が大旱魃にみまわられた折、道真が祈雨祈願したところ、たちどころに雨が降るという霊験があったと。その数年後、讃岐の国で起きた大旱魃でも讃岐守に就いていた道真は祭文を読み上げ、雨に恵まれたという伝えがあります。
それだけに限らずまあいろいろと霊験に関する逸話の多い人だったようですから、あながち清涼殿への落雷が単なる自然現象ととして片づけられたかと言えば、当時の人々にはそうはいかない出来事だったのでしょう。

そのような故事から6月26日は「雷記念日」なのだそうですが、これが不思議なことに、いつ誰がそれを制定したのか調べているものの、よくわからないのです。記念日、とわざわざ言っちゃうくらいだから近代において電気やら気象やらにかかわる人々が決めたんだと思われますが、これだという資料と巡り合えません。それもまた道真さんの霊験?

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