本気で作ってきた割には月産生産台数が100台というジムニーシエラの購入競争率は、今後ちょっとした話題になりそうですが、発売日にいち早く試乗してきた和邇さんがどう食指を働かせるのか興味があり、また最近は1300系のジムニーを手掛けるようになったフジ・オートの渡辺代表にも新型の印象を聞きたいと考え、緊急会議を無理やり開いてきました。
が、いよいよサイドキックを手放すかと思われた和邇さんは、車検を通すために訪れておりました。
ここまで待ったのだから、出てくるものならシエラのロングを希望しているのが和邇さん。小型車とはいえジムニーのロングというのは、これまでエスクードが築いてきたエポックメーキングを奪うようで納得しかねるのが渡辺代表。しかし長年コンパクト四駆にこだわってきた初代エスクードユーザーにとっては、渡りに船の可能性ではないかと感じているのが僕。
ここで妄想するなら、30年前にエスクードが誕生し、新規マーケットを開拓しながら満を持して追加投入されたノマドが思い出されます。ノマドの登場は、最初のマイナーチェンジとともに2年後に用意されていました。これを新型ジムニーに当てはめると、奇しくも「ジムニー誕生50周年」の年回りになります。
当然、50周年記念の特別限定車などは企画されるでしょう。しかし50周年です。記念企画ものだけで済ませるのだろうか? ジムニーとはあくまで軽自動車としての存在意義が揺るがないことは承知の上ですが、ジムニーを越えるジムニーという提案を繰り出し、いっそのことシエラやジムニーの冠を外して5ドアの小型四駆を生み出してもいいのではないかと感じているのです。ノマドが出てきたあとじわじわとブレイクしていった隙間市場は、今また隙間となっています。やらない手はない。