5日、福井県のオートパーク今庄で開催された新しいダートトライアルJ‐ONE第2戦に、後藤誠司くんがエスクードでエントリーし、50台ものハイパワージムニーと一戦交えましたが、コースのデータも無くぶっつけ本番の参戦ですから、勝てるはずがありません。彼は地元のTDAにおいて、J‐ONE主催者が遠征してきたジムニーに負けていたため、そのままでは終わらせられない一心だったのですが、意地と気合だけではどうにもならないこともあるのです。
結果は5位。このポジションをどう見るかはいずれまた。
「うちのエスクードではストレートの最高速度は時速130キロがいいところですが、ファイナルビーストのジムニーはプラス20キロはでていますね。我々が経験する最も硬い路面というか、コースの一部は舗装されているし、際立って速かったクルマがラリータイヤでした」
島監督の感想です。少なくとも次回はタイヤを合わせて行かなくてはならないと。フロント側にLSDも組み込みたいところです。
「後藤君のコーナリングは相変わらずキレてます。それについてはアゥエーながら注目の的でした。エスクードがこんなに速いとは、どんなエンジン積んでいるのかと。いやいや、相変わらずノーマルのJ20Aなんですが、その辺の質問攻めです」
これは何となく想像できることですが、後藤くんと同じ領域のコーナリングをワイド系といえどジムニーでやったなら、一発ですっ飛ぶでしょう。彼の大胆なコーナーワークは、意外なほどに緻密で繊細なコントロールと、エスクードならではのトレッドでできる芸当なのです。
事実、このレースにはもう一台、別チームから同型のエスクードが参加していましたが、序盤にエスクード対決というカードが引き当てられた結果は、相手が乗りこなせていなかったということです。
「ハイパワーチューンのジムニー勢に、現状の仕上がりであれだけ肉迫できたのだから、負けは負けでも拾うものが沢山ありました。そりゃ悔しいでしょうけど、後藤君の中に、まだエスクードでやらねばならない目標ができたのではないでしょうか」
そろそろエスクード自体の限界も考えなくてはと思っていたのに、厄介な目標を見出してしまったものです。それはそれでありがたいのですけどね。それについては後藤くん自身がこう言っております。
「TDAでも気がつけば僕の車が一番の古株になってしまったんです。ここまで苦楽を一緒に走ってきたら、今さら他に乗りたいやつなんかありませんよ。今回は余所の風にあたりたかったし、勉強させてもらえたレースでした」
全車両53台、うちエスクード2台。のこる1台は軽トラックだったとのことですが、主催者のショップがらみとはいえほぼジムニーレース。JXCDが無くなってしまい、九州ではパジェロジュニアのワンメーク耐久レースというのも始まりましたが(ちなみに島さんと高田さんなどが4人体制で出まして準優勝だった)、こうなるとTDAの手弁当というか手作り感のあるレースの方が魅力を感じます。
後藤くん、上位4台を追いかけることになるけど、やっぱり追われるよりそっちの方が闘志が湧くよね。しかし「あの娘」がテンロクのショートとか与えられて後藤くんが追い回されることも想定のうちですからね。
初の北陸今庄サ-キットは何もかも新鮮だと後藤・・・
路面の硬さ、タイヤ1本ライン外せばハイサイドで飛ばされる
ハイスピ-ドコ-スは正直私も驚きを隠せませんでした!
片道800KM弱の耐久レ-スを兼ねた今回は沢山の収穫あった意義あるイベントでした
千葉まで自走で来ちゃった川添君の実例もありますが、それに次ぐ大乗でしたねえ。
もうひとつは、奇しくも因縁の彼がどういう心境でエスクードを試しに出たのかが関心事です。
それにもまして、ことしTDAに一矢報いるのが、後藤君の課題ですね。