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  ~懲りない傾向~

SPACE2019

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新谷かおるさんが86年に発表した宇宙冒険譚「パスカル・シティ」は、当時の近未来設定として最大で2003年より少し前の物語として描かれています。劇中「ライト兄弟の初飛行から100年も経過していない」という対話が、その指標です。次世代スペースシャトルが事故によって軌道を逸れ、太陽を目指して暴走する中、クルーたちの子供世代が旧型シャトルで「勝手に」救助に出ていくという展開は、いかにも新谷漫画。

同じ年に、アメリカでは「スペースキャンプ」なる宇宙冒険映画が封切られており、こちらはNASAで体験学習中の少年少女が、そのうちの一人の少年の心情を読み取ったロボットの「勝手な」管制によって、搭乗していたシャトルを打ち上げられてしまうというお話。ただ、86年というのは、そのスペースシャトルが打ち上げ直後に事故で分解と爆裂的火災によって、クルーがすべて亡くなるという、宇宙開発にとって大きな痛手を被るところから幕開けした年でした。

そんな年回りこそ宇宙を見上げて夢を描こうと意図したのが、新谷さんの漫画だと思いますが、エリア88やファントム無頼のような長尺物にはならず、子供たちによる次世代シャトルの回収劇にまとめられ、エピローグで18年すっ飛ばした未来を描いて完結しています。この18年後というのが、ひょっとすると2019年から20年あたりじゃないかと試算できます。人類はまだ火星にはたどり着いていないんですが、再び10年以内に月面滞在を目指すムーブメントが浮上しています。

 

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