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  ~懲りない傾向~

いだてんの冒険

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なぜ野口英世をやらぬ?

大河ドラマで近現代を扱うことが難しいのか、脚本の前衛差に視聴者がついていけないのか、「いだてん」がだいぶ苦戦しているそうですが、僕は観ていて面白いと感じる。ストックホルム大会は知らないけれど、東京大会まで引っ張るドラマならば、知らない歴史ではなくなるからというのが大きな要素だし、描かれ登場する人物たちが新鮮です。

維新ものや国盗りものは、もう切るだけ切り取った感がありますし。しかしこの時間帯の主たる視聴者は、それらで育ち茶の間にいた人々なのでしょう。彼等にしてみれば、ある意味大河ドラマ時間帯から追い出された感があるのかもしれません。

だけど、どこかで枝葉を広げるか引き出しを増やさないと、大河ドラマのあるべき姿も動脈硬化してしまうでしょう。近現代もの、いだてんが切り拓くならば大いに挑戦すべきだと思っています。

じゃあ誰を扱うのよ? と問われるでしょうからその際僕は、手塚治虫さんや円谷英二さんの名を引き合いに出すのですが、このあたりの層は多分、まだまだサブカルチャーでせいぜいドラマ10がいいところだと、切り返されるであろうこともわかります。

で、推したいのは野口英世さんです。誰もが知っている。しかし案外、幼少期の境遇から青年期は歪んで曲折の言動を振る舞い、意中の人にも疎まれるなど破天荒な人で、これの扱い一つで物語は地雷を踏むかもしれません。それらを経て、研究者として立身してからは、次第に人物像が出来上がっていくのです。なかなかエキセントリックです。

いだてんは、そんな冒険の戸口に立ったドラマ作りなのだと思っています。戦国武将を排除する必要も無いのです。何作かに一本くらい、近現代をレギュラー化していけばいいのだから。

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