JXCD第4戦に向けて、Team WESTWINは一路熊本へ走ります。えっ、タカタは広島県でしょ? と思ってしまいますが、これはあれです。目的地へダッシュするために「ぜんまいを巻く」というやつ・・・
「でもぜんまいを巻かれたのはエスクードではなくて、エスクードを載せたトラックの方なのではないか?」
という突っ込みは不許可です。実は島監督は、季節感のないサンタクロースをやっていたのであります。
さて怒涛のぜんまい巻きを経て乗り込んだタカタからの監督の第一声は
「こらあかんですわ」
テクニックステージタカタのコースレイアウトは、全体の8割がフラットに見えるけれど下り。そして浮き砂利。三連のコブまで設定してあるというテクニカルコースで、やっぱり足回りのストロークとタイヤのコンディションにキモがありました。ダートのジムカーナをほとんど下りで行うというステージですから、減速勝負、コーナリングで安定させ、ストレートでハイパワー加速の組み合わせ。トレッドの狭いパジェロミニにとっては、川添選手をして「これは怖いですね」と言わしめるコース設計でした。
案の定、コーナーで安定しているのは、たとえばジムニー勢でもシエラ系のワイドトレッド。ストローク量にも恵まれた彼らは、三連のコブも突破しやすいわけです。川添選手は苦戦を強いられながら、痛恨のシフトミスで空走時間を作ってしまうのですが、本人談で
「全然良いとこなしのぼろぼろです」
と言いながらも、Nクラス3位をもぎ取っていきます。
「後藤くんがですねえ、四駆ローで行かせてくれと言うとるんです。ハイギアードはピックアップがついて来んと」
「タイヤはどうですか。まだ持ちますか」
「それはもう・・・聞かないでっ」
「うへー・・・ならもう好きなようにやらせてあげましょう!」
今回は全クラス通して60台を越えるエントリーの盛り上がりを見せるJXCD。午後にプログラムされている改造車のP1、2クラスは、練習走行時間がなくなり、慣熟走行は一本のみとなります。タイヤが限界に来ている後藤選手にとっては、ぶっつけ本番という状況ながら、寿命間近のタイヤを使い切る作戦としては不幸中の幸いなのです。しかし勝負はもちろん甘くない。福岡、世羅と全力運転しているタイヤで、しかもこちらの要求スペックを「新品状態でも満たしていないであろう銘柄」を使用しなくてはならない事情のもと、エスクードは観戦側を沸かせるド迫力の走りを見せつけます。
「いやあ・・・見た目には派手でかっこいいですわ。あれは写真写りが良いだろうなあ」
島監督はあぶら汗を流しながら苦笑いです。ただでさえトラクションのかからないコースに、ほぼ坊主のタイヤ。エンジンブレーキを封印するという宿題をなかなかまっとう出来ない後藤選手のぎりぎりのパイロット。P1クラスでは100分の何秒かの差を埋められずに第4位。P2クラスでは2回戦で敗退となりました。
「まったくだめでした。車がどうのと言うことじゃないです。どんなコースにも即応できるようになりたいです」
彼らは言い訳をしないところがすばらしいと同時に痛々しい。P2クラスとして走るエスクードといっても、E376‐Ⅱはまだ、ノーマル車両と大差ない状態です。パジェロミニも然りです。それでバリバリの改造車と渡り合っているのだから、実際のところ、ドライバーのポテンシャルはかなりのものなのです。しかしそのあたりをほめてはならないとも、島監督は言います。そうとなれば、エスクードというポリシーを活かしながら、マシンのどこをどのように煮詰めていくか。まだ活路はあると思います。
とりあえず、次のステージは来月。福岡で行われるTDA。川添、後藤両名、頑張っております。
いや~乾杯?完敗です
しかし今回の遠征で、作る側、乗る側の両方が
沢山の価値ある宿題を得る事出来ました!
お疲れ様でした。
まあ簡単には勝たせてもらえない、簡単では面白くないという気持ちは、何処のチームにも同じようにあるでしょうから。
でも作り手と乗り手の共有するポリシーが、一塊になっているのが、WESTWINならではのいいところだと思います。それはよそとはちょっと違いますよ。