以前、地球防衛軍の極東基地は本当に「静岡県」「富士山麓」なのかというプロファイルをやりましたが、秘匿された地下基地の全容は残念ながら不明であり、よくよく考えてみると、芦ノ湖らしき湖畔から射出されているウルトラホーク1号用サイロが明らかに神奈川県箱根町であるとしても、芦ノ湖の対岸はもう静岡県との県境。裾野市や御殿場市などは極東基地の展開範囲なんだよと思わざるを得ないようです。極東基地勤務の隊員は300名ですが、これを稼働体制にするためのサードパーティーはいくらでもいたでしょうし、作戦室で出前を取っていたことはないけれど、そういった必需品手配や仕入れ先は地上に頼らざるを得ません。
そのサードパーティーが一丸となって基地の所在を秘匿してきたひとつの事例が、上の図版のような「虚偽の解説」なのでしょう。しかし富士山麓の各都市や町は日常、侵略者の攻撃にさらされないのか?という疑問もあります。実際には極東基地なんて、何度も宇宙人に侵入されているので、秘匿性自体があてにならない話です。とはいえ大規模な空爆を受けた事例もあまりないので、ひょっとすると全地球防衛電磁バリア「プロジェクト・ブルー」の試作バリアシステムくらいは完成していたのかもしれません。富士山麓の上空(低高度)をこれで覆ってしまうと、逆にウルトラホークも飛ばすことができないので、フタゴヤマカタパルトは芦ノ湖の神奈川県側に設置されたのではないかと、最近は考えています。
話は少し変わりますが、最近のウルトラマン世界ではこの手の巨大防衛組織があまり描かれなくなりました。子供に軍事を刷り込むのはどなのよとか、セット組んで撮影するのもコスト高なのよとかいろいろと示唆されていますが、事はもっと単純で、「地球防衛の最前線に、こうも易々と潜入しちゃって長期滞在できる宇宙人」自体が大いなる矛盾なので、少しでも潜入潜伏しやすい設定にすり替わっていったのではないかと。もっとも昔は、その正体を隠して「ぼくらのために戦ってくれるウルトラセブン」だからこそ、感情移入できたのですが。ここを想像するに、セブンは防衛軍の首脳陣には素性を明かし、軍内のトップシークレットとして扱ってもらう交渉の末、ウルトラ警備隊に迎えられたのだろうと解釈しています。
というわけで、10月1日なので、ウルトラセブンの放送開始日(1967年)にちなんで極東基地問題はおおむね完結の方向へ・・・なのに前編です。
まあね、牧場の緑が左右に分かれちゃったり、そのくせ潜水艇ドルフィンの格納庫が富士五湖水面下の南の斜面にあるのに、そんなとこからわざわざ海へ出るTACのような、もう勝手にしてという富士山麓基地の扱いもありますので(しかも二号まであるように歌われてますが、TACの装備に潜水艇は出てこないという)。ただ、TACの基地は超獣の奇襲を受けてウルトラマンエースが地上戦を展開した折、背後に見える富士山の形で位置を推定できるそうです。
セブンの時点でそういう考察が可能なら、レオのMACなんて完全にセブン(ダン)の私兵ですね。
【たまたま】日本周辺にしか怪獣や宇宙人が襲来しないからいいようなものの>よくないけど
全世界規模で地球を防衛してますって雰囲気皆無でしたもの。
しかもメインの宇宙基地がやられてダンが行方不明となったら【退場】って、ねえ・・・・・・。
番組制作上のご都合とはいえ投げっぱなしが酷かった気がします。
まあレオ自体スポ根反映し過ぎとかダンの屈折した姿がキツくて(あんたレオに嫉妬してるでしょっていう)
景気が悪い時代でも制作にGOが出せたのは腐ってもウルトラシリーズだったのかな。
MACの欧米各拠点、アフリカの拠点(すべて宇宙ステーション)は健在のままで、ドラマ自体がゲンの退却と反撃にスポットを当てている。
その意味ではダンもまた捨て駒なんでしょう。
むしろゲンこそがダンの私兵だったために、アジア本部が失われても他の部隊に「復帰できない」立場だったんですよ。
あぁすみません、そういう設定だったんですね。
アジア本部が無くなったらお役御免なのもどうかと思いますが、
ある意味(途中からとはいえ)防衛組織不要の先駆けだったとも言えるのかも。
にしても、セブンも捨て駒扱い同然だと地球人類って相当おにちくですね。
ヒーローもやさぐれちゃいそう。
いや設定じゃなくて状況をそう解釈しました。