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  ~懲りない傾向~

実は菅谷政子さんが一番すごい

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70年代にテニス少女をやっていた人はだいたい通り過ぎているらしい「エースをねらえ!」は、うちの妻もご多分に漏れなかったらしく、自らピアがリリースしたDVDブックを買いそろえてきました。「宝島」のときもそうでしたが、ブックレットもきちんとついて3巻構成で全部買ってもこの低価格というのは大したものです。しかしいわゆる旧エースはウルトラマンタロウに視聴率を打ち負かされ、打ち切りになったために宗方仁の去就まで描けていません。

それで後に「新・エースをねらえ!」が作られるのですが、新エースは旧(左の挿絵)を手掛けた演出の出崎統・作画監督の杉野昭夫が関わっておらず、グレードは上がっているのにキレがない。その代わりに美術監督で小林七郎が参加しているので、背景描写は明らかに新の方が優れているという不思議なアニメーションでした。そのいいとこ取りをしたのが、新の人気を経て作られた劇場版で、僕はこの劇場版と後々に作られた「2」とか「ファイナルステージ」しか見たことがありませんでした。

劇場版(左の挿絵)については、多くの人が言っていますが、新の25話分、原作の第1部を、わずか88分に破綻なくまとめ、しかも再編集ではなく新たに制作したという秀作で、杉野キャラも出崎(監督)采配も小林美術も最もバランスの取れた映画とされています。

面白いことに、うちの奥さん、新と劇場版は見ていないという。なんでだと聞いたら、宗像の声が中田浩二から野沢那智に変わってしまったからだとか。

ということは、「2」や「ファイナルステージ」も見ていないのでしょう。ОVAだったし。僕自身はこの完結編2作になると、キャラの描写がくどくなってしまって好みではないのですが(左図は劇場版)、ひとつだけ感心していることがあります。岡ひろみや竜崎麗華など主要キャストの声優がほぼ入れ替わる中、ひろみの友人、愛川マキ役の菅谷政子さんだけ、73年の旧エースからずーっと、89年のファイナルまでやり遂げていることです。これが一番すごい。

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