念のために調べてみましたが、鎌倉市内にそのような病院は無さそうです。噂によると、心霊内科というセクションがあるとの話ですけど、鎌倉の警察署には心霊捜査科なんてものがあるくらいですから、いちいち驚いてはいけないようです。
それはともかく、1936年頃の竣工だとかで、豪奢な大理石仕上げ。床のモザイクタイルの模様がしゃれています。
ここから見上げた天井は遥か高いところにあって、建物全部の層を吹き抜けた空間と、ステンドグラスの明かり取りが特徴。階段の手すりには貝の化石が浮き出ていました。
戦争を経験しているこの建物には、アメリカ軍の戦闘機によって機銃掃射された弾痕も多数残っています。
吹き抜け近くの高さからのぞき込むと、床のモザイクタイルの模様がよくわかりますが、あれっ? なんだか・・・一階を歩いていたときとこの見降ろしは、景色が違うんじゃないか? と思った方々は、その観察力が正しいのです。
何が違うのかは説明をしませんが、これは「DESTINY 鎌倉ものがたり」の一場面です。
この場面は病室のドラマもあり、それは笠間市の「筑波海軍航空隊記念館」がロケに使われていたことが有名なのですが、あの建物にはこんなに高い吹き抜けは存在しないし、そもそも建物自体がこんなんじゃなかったよと、ずっと感じていたわけですが。
先日、仕事で出かけて駐車場所から建物を見て「・・・あ」
千葉大の医学部本館こそが、鎌倉中央病院の姿だったことを知りました。当時の文部省が直接設計を手掛け、同省の佇まいと同じような仕上げにしてあるそうです。ここに700人からの学生や教員がいるのですが、近所に新しい建物ができるので、耐震基準を一部で満たしていない本館はいずれ解体されてしまうとか。
それも運命ですが、いざなわれた僕もDESTINYなひとときでした。