記憶を風化させてはならないと思いとどめていながらも、浜通りに赴く機会が激減しました。忘れていくわけではないけれど、東日本大震災と対峙した日々が遠ざかりつつある心境です。
地震も津波もあれ一度ではないはずで、災害と日常は背中合わせだということを、あらためて心に刻むことで、勘弁してもらうしかなさそうです。
ただ、帰還困難区域内はともかく、原子力災害と戦っている多くの町は、賑わいを取り戻しています。各地で進んだ除染などの廃棄物も、かなりの量が中間貯蔵施設に搬入され、技術の進歩を待つことになります。廃炉への数十年を立ち止まって見ているだけではない、浜通りの気概こそ忘れてはいけないことだと感じています。