「TD01Wクラスの大きさで、つまりジムニーシエラのボディをストレッチして、顔立ちを変えて、それをエスクードとして出すという手は、5ナンバークラスとしてはニーズがありそうですが」(アピオ会長 尾上茂さん)
「ジムニーとエスクードは、共通化という考え方に持って行ってもいいでしょうね。駆動系を1600から2000ccまでに対応させていけばいいので」(日本ジムニークラブ会長 二階堂裕さん)
この対話は、2012年夏にアピオにて対談していただいた、スズキエスクード誕生25周年企画(2013年5月に公開)収録用の終盤に交わされたものです。インデックス一番下の「Pioneers’ talk」を読んでいただくと、最後に出てきます。25周年企画はもうほとんどこの対談が目玉でした。当人たちでさえスーパースージーなとでやっていなかったくらいだから。
ここで尾上さんが言っているジムニーシエラとは、JB43Wのことを示しています。まだ74系など世に出ていない頃の話です。そんなの誰でも思いつく、と言ってしまえばそれまでながら、尾上さんは潜在的な需要を掴んでいたのです。こういった対話を材料の一つにして、二階堂さんはJB64の開発に際してコンサルティングをやっていたので、登録車版ジムニーの方向性についても言及していたでしょう。
惜しむらくはエスクードが再登場するのではなく、ノマドのサブネームが復活する経路となっていったことで、このきっかけとまでは言いませんが、ESCLEV企画の対談の中で予告されていたことが、なんかもう口惜しいんだよ。