おっとびっくりの、アメリカンスズキモーター社が米国連邦破産法第11章に基づく更生手続への申請を決議というパブリシティ。要するに北米市場からの4輪撤退です。
もともと現地ではグランドビターラなんて売れていませんでしたし、カナダのカミ・オートモーティブとの合弁はリーマンショックの1年後に解消していて、現地生産機能を放棄していましたから、同社が車両供給を受けられるのは日産の現地生産ピックアップトラックOEMか、日本からの輸出枠。
円高状態が長く続いて青息吐息だったはずです。
リーマンショックの折、同社はグランドビターラのコンパクトさをアピールして、恐竜的肥大化したアメリカンビークルよりも経済的なのだと宣伝しましたが、そのアメリカンビークルを、現地の人々は捨てなかったということでしょう。
スズキのアメリカ進出は1963年に遡るそうです。これはモーターサイクルメーカーとしての進出。自動車販売は意外に新しくて、85年から。サムライ・ジムニーの横転事故問題という難癖をつけられ、サイドキック・エスクードで巻き返してきた北米市場も、2007年あたりがピークだったようです。今後は現地法人での騒乱も落ち着いたと思われるインドを軸に、東南アジア市場を固めていくとのことですが、足元を固め直すのも忘れないで欲しいです。