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  ~懲りない傾向~

虚構の着陸

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1977年1月4日、人類初の有人火星探査ロケット「カプリコン・1」がアメリカ合衆国によって打ち上げられましたが、この宇宙船に搭載されていた生命維持装置はコストを削っていたために使い物にならないことが判明し、3名の乗組員は打ち上げ直前に何処かの砂漠に連れ去られて、虚構の火星着陸と探査作業をさせられることになりました。

その一部始終はスタジオにおける特殊撮影によって捏造され世界中に放送されたものの、遠隔操作されていた宇宙船の方が、地球帰還時に遮熱板が破損して大気圏で燃え尽きてしまうのでした。

存在してはならない人間となってしまった宇宙飛行士たちは、抹殺されることを恐れて軟禁されていたスタジオから脱出を試みるのですが・・・

後にスティーブ・マックィーンの「ハンター」、ロイ・シャイダーの「2010」、ジャスティン・チェンバースの「ヤング・ブラッド」などを手がけるピーター・ハイアムズが監督した『カプリコン・1』のあらすじですが、当時いろいろな温度差を持ちながら囁かれていたアポロ計画捏造説を彷彿とさせる展開の、SFテイストでもあり政治・サスペンスドラマでもあったB級作品。配給の関係から、作られたアメリカでの上映が翌年になっているのは、ひょっとすると77年当時の全米メガヒットである「スターウォーズ」ブームをかわそうとしたからかもしれません。

奇しくもつくばーどサイトでは、エスクード・マイレッジという虚構の火星到達(正しくは虚構ではなく仮定として火星・地球間の最接近時距離を走る仕組みですが)を目指しており、この映画にはちょっとした愛着を持っています。エスク・マイレッジが設定している火星までの距離、約5600万キロは、2003年8月に起きた、これまで火星が地球に最接近した事例の中で最も近いものを取り上げています。これは偶然の産物ですが、この最接近が起きた年に、ESCLEVも立ち上げられているという、なんとなく数奇なめぐり合わせも含んでいます。その頃からことしはちょうど10年目にあたるのですが、まだ3100万キロ台で頑張っている状況です。

しかしこの映画、ことし観るとバチが当たるかもしれない。なぜなら逃亡中の飛行士が、荒野でサバイバル中に蛇を捕まえて生噛りするので・・・