失礼を承知で書くと、狼駄さんを知るたいていの人は彼に雨男の称号を印象付けており、過去の雨天時ミーティングや異常に寒い花見などを振り返れば「なるほど」と膝も打つことでしょう。
一方うちの娘の霙は、その通り名に反して何もしなければ「割と」晴れ女で、てるてる坊主をこしらえたら結界発動のまず「間違いなく」晴れ女と化すのです。
それはもう当然のことですが、先日のミーティングに合わせて狼駄さんの魔力を封じる気持ちよく肉を焼ける環境を作るべく、てるてる結界は三段返し(つまり三個)で張り巡らしてくれていました。それでも開催前日の夕方に雷雨と雹が一時間ほど天狗の森を駆け巡ったのだから、侮りがたしでしたし、当日昼ごろから一気に花散らしする強風を呼ぶという、すさまじい狼対結界師の戦いが繰り広げられていたのですが、和邇お嬢姉妹のパワーアシストと、あとで判ったことですが霙が着ていた服が風花さんからいただいたものだというお札効果で勝ち越し。
というところまでは良かったんですけど、霙は霙で自然科学の知識が無さ過ぎ。愚かにもこの対峙シーンのあと、会費徴収などでほとんどの時間を日向で過ごしていたために、日焼けして風呂に入るのが大変だったそうです。
「なんで『ひでこさんのおいなりさん』があずまやの日陰にあるって教えてくれなかったんですかっ。それさえ食べていれば日焼けしなくて済んだのに!」
「子供じゃあるまいしそこまで面倒見きれんわっ」
それで思い出したんだけど、狼駄さんの新技(なのか?)である獅子舞装備も出なかったねえ。