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  ~懲りない傾向~

いろいろそうじゃないんだ・・・けれど

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先の連休中に観に行っていた「FAST MAN」だったんですが、自分の思い込みで観ちゃったものだから、いろいろと「そうじゃないんだ、それじゃないんだよ」感ばかりが先立ち、しばし放置しておりました。

これは1969年、人類初の月面着陸を果たしたアポロ11号のキャプテン、ニール・アームストロング飛行士の物語。その史実に沿って展開していきます。

が、50年前に宇宙中継のニュースとしてリアルタイムでそれを見聞きし、翌年の大阪万博で実際に月の石を延々並んだ末に見学してきた自分にとって、この歴史はどうにも明るく輝かしい科学技術の時代として、子供心に能天気な刷り込みをされていたようです。

映画の方は、同名小説作品をさらにダイジェストして、ニールのテストパイロット時代から月着陸までに絞ってまとめられていますが、強靭な肉体と精神力でもって私的にも公的にも寡黙で冷静なくてはならない宇宙飛行士を描きながら、その任務に就くこととなった一人のアメリカ人の、言葉に出てこない葛藤を滲み出させる物語です。

そうなるともう、途中に様々な山場と思しきアクシデントや事故やが挟まれるも、11号の打ち上げまでがそれこそ月と地球の距離感くらい長い。こりゃあ当時の自分が見せられたら居眠りします。大人の世界のメンタルが理解できないもの。しかもニールとバズ(オルドリン)が月に降り立ったところでこの映画は当然、終幕です。えっ、そこまで?

当時と言えば、強いアメリカが標榜された時代。にもかかわらずそのような「どうだまいったか」感のない、むしろ、強いアメリカを支えてきたアメリカ人の内面というのはこういう重圧にも対峙していたのよ? という方向に差し向けられた物語であったようです。結果、僕はフラストレーションを遺して席を立つわけです。ほら、ちょっと昔に作られた「APOLLO13」とはあまりにも対照的なのです。あちらなんか、アポロ計画としては失敗の物語だけれど、生還というカタルシスがあった。エンターテイメント性では出し物がそろっているのです。

ただひとつ、「へえ・・・そう描いたんだなあ」と感じさせてくれる場面もあります。当時は寛容であった、月へ持ち込みが許された私物について、ニール・アームストロングは生涯、内容を明かさなかったのですが、この映画ではそこに視線を注いでもいます。でもそれさえもしんみりとさせちゃうガジェットになっているのですが・・・

アポロ11号の月着陸から半世紀という年回りゆえ、このような映画が作られている。理解できる話です。でも、この手の話はドキュメンタリーで追いかけた方が良いのかもしれません。そういう趣向の「Apollo11」(下の写真)というのもこれから出てくるらしいですから、そっちを観つつ、「FAST MAN」においては、これでなければ描けない部分を再考しようと思います。書き忘れるところでしたが、2月26日は、1966年に無人のアポロAS‐201が打ち上げられた日。アポロ計画最初の発射実験でした。