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  ~懲りない傾向~

すれ違ったままの30年

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1980年というと、まだ未成年だったようなそうでもないような、もうすっかり何をしていたか覚えていません。世の中の動きはこんなだったようです。そういえば、当時住んでいた東京の行きつけの喫茶店では、しょっちゅう「異邦人」が流れていたような気がするし、テレビの歌番組だとTOKIOの記憶が残っています。

まだウォークマンを持っていなくて(というか、ウォークマンって結局一度も手にしたことがなかった)、車のカセットデッキにはレコードプレーヤーから録音した適当な曲を放り込んで、Ride On Timeを買いに行って歌っている人の素顔をはじめて見てぎょっとした(達郎さん、すいません)のでした。

あーやっぱり、ながらで聴いていたことは聴いていたのだけれど、ビートルズは引っかかってこない。ポール・マッカートニーの成田逮捕で始まり、ジョン・レノンの死去に終わったといっても過言ではないこの年、たぶん熱を入れていたのは伝説巨神イデオン・・・と書くとそっちへ行っちゃうので、ここはビリー・ジョエルと逃げておこう。ビートルズをまったく聴かなかったわけではなく、カーペンターズを聴かなかったわけではなく、エアロスミスだとかビリー・ジョエルに傾倒していた時期。「ダブル・ファンタジー」は買っていなくて、「グラス・ハウス」に聴き入っていたのです。

それじゃこの原稿の意味が無いよ。となってしまうのですが、こればっかりはすれ違ってしまった世代なのですね。そのすれ違いで言うと、さらに1年前の1979年夏。家族で草津へ出かける道々、軽井沢に立ち寄ったことがあります。その日にジョンとその家族が滞在していたかどうかは定かではないですが、もしも彼らが避暑に来ていた時期と一致していたら、唯一のニアミスだったのかも。翌年(80年秋・・・なので、相手はれいんさんじゃねーな)、自分の車でデートにやってきた軽井沢には、ジョンは訪れていないはずです。写真の見晴台は今世紀に入ってから撮影しているものだから、まるっきり的外れか。

一時期通っていた近所のカフェレストランには、初来日のときにビートルズを撮影したというNICONとプレスタグが飾られていたのですが、その元カメラマンがやっていたお店も、いつのまにかなくなってしまった。僕自身はことごとく時間軸にずれを持ったまま、ジョン・レノンがこの世を去ってから30年。そしてむりやり日付だけにこじつけていくとすれば、15年前ならこの日の夜遅く、僕には父親の、れいんさんには母親の扉が開き始めたのでした。