Trend-Blue

  ~懲りない傾向~

エンターテインメント

エンターテインメント はコメントを受け付けていません

遅ればせながら「BRAVE HEARTS」。前作の天然ガス採掘プラントでシリーズ完結と聞いていたので、「あらっ、それじゃあ、あれやっちゃうのか」と思ったとおり、原作となる「海猿」全編で最も悲惨な海難事故であるはずの、旅客機洋上着水。この話は乗客の半数が犠牲になるし、みてくれのパッとしない中年機長とCAの悲恋ものだし、凄惨さを前面に出しながら希望につなぐエピソードとはいえ、扱いにくそう。フェリーを沈めた前々作の冒頭でちょこっとだけ扱った旅客機墜落のシーンでお茶を濁したように見えていたのです。

が、やっちゃうと。

中年機長が妙にいい男になっていると配役を見ていたら、物語の上でのCAに絡んでくるのは、主人公仙崎大輔の後輩にしてバディである吉岡哲也(佐藤隆太さん)に入れ替わっていた。まさか、機長とCAのポジションまで入れ替えちゃったりしたら、吉岡、せっかく第二作で沈んだフェリーから生還したのに、大丈夫かそのフラグ? という余計な心配までしてしまうのです。

プロデュース側も「自分たちはストーリーがわかっているからいいけれど、ニュートラルな人が見たらどう感じるか不安」と語っているのですが、この映画はむしろ、ニュートラルな人々が観やすいよう、構築されているのではないかと思います。いや、それでいいんです。エンターテインメントというのは、観客が小屋を出たときに、どよーんとした気持ちにさせてはいけないでしょう。ただなー、このシリーズが始まった頃の加藤あいさんは、海猿の世界観の中でのヒロインとしていい雰囲気を持っていたのに、経年に対して魅力の出方が追いつかなくなっている。ついでに言うと、CA役の子が輪をかけて魅力的でない。エコノミーパーサーを含めて5人出てくるなかで、別の脇役の子のほうが可憐だというのはどういうことなんでしょ。