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  ~懲りない傾向~

寝て待った家宝・・・いや果報

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jcc197a国産名車コレクションの57号だったか58号だったかで、スズキエスクードがライナーノーツ(というのか? 単純にファイルでいいか)内で解説されていたと記憶していますが、まあそれからここまで長かったこと。というより、取り上げられること自体期待もしていなかったのが本当のところです。かつてブラーゴから出ていたビターラが、国内では単価300円でしたが、当時築地の近くにあったミニカーショップに依頼して、輸入元の倉庫に残っていた在庫を全て買い取ったのがもう10年以上前。それらはその頃開いたイベントなどで賞品にしたり取材のお礼に進呈したりで、いつしか使い果たしていました(自分のは持っているんだけれど)

エスクードが次にミニカーらしきものとして見出されるのは、43分の1スケールより大きく、モデルも2000ccをモチーフにした中国製のプルバックトイ(しかしダイキャストボディ)で500円。これが土産物屋やら高速道路のSAなどによく出回っていました。ドア開閉ギミックやシートバックレストの可動と妙なところに凝っていた割には、その弊害としてリアハッチに窓板がないという代物でしたが、一応はエスクードのディティールをきちんと再現していたのです。

jcc197b2代目は飛ばされ、現行ものはリーツェから2サイズのミニカーを入手可能でした。ここへきて初代がまともなスケールで企画されたのは、そりゃ25周年だからでしょうと言いたところですが、実のところなぜ今なんだろう? と不思議に感じます。窓枠のブラックアウト、室内の造形、フェンダーの張り出しと先端寄りのサイドマーカーにリアワイパーまで、もう些細なミスには目をつむって、よく作り込まれています(4AT車が製作用のモデルだったようです)。図版やテキストは可もなく不可もないことが掲載されていますが、最後に「名車なのである」と言い切られると「そうなのかー?」と今更乍らに照れるばかりです。

しかし恐れ入ったのはホイールのデザインで、わざわざ初期型の純正スチールホイールでまとめていること。二型から三型にかけては、カタログモデルそのままならスチールホイールで出荷されましたが、これをメッキ塗装したものもあったし、アルミホイールのデザインもいくつかあった。それ以前にこの頃は社外品でアルミホイールのサイズあわせも難しくて、タイヤもオーバーサイズにしてディッシュタイプのアルミホイールを入れるという手法が流行していましたから、今となってはホイールを含め何から何までノーマル状態の個体を見られること自体貴重な時代になっています。そこを再現してくるところが、仕事なのでしょう。

さて素材は手に入った。これ、このまま飾っておくのも良いけれど、僕の履歴だとインビエルノブルーメタリックに塗り直してキャリアを自作するとか、ダークブルーメタリックに塗り直して屋根を切ってしまうとか、やりたいことがたくさんある。もっとこだわる人だったら、残念にも再現されていない足回りを作り込んでしまうというのもありでしょう。