クラムシェルタイプのボンネットフード、5分割ラジエターグリルが、スズキのSUVにおける伝統的デザインであるとは知りませんでした。ジムニーはともかく、少なくともエスクードには一度も用いられていないグリルデザインです。いや案外、次のマイナーチェンジで使われちゃうのかもしれないけれど。
などと、思うのは人それぞれですが、もはやジムニーであろうとクロカン四駆と言わずSUVとして括らねばならない時代になっていることを、頭に刻まなくちゃならないのでしょう。
とは言ってもこのシルエット、少なくともジムニーじゃないよなあ。
コンセプトカーだから前衛的であることは折り紙つきですが、サイド側のシルエットに関しては、これまで提案されたコンセプトと比較しても思いのほか保守的。不安がるべきか安堵すべきか複雑な印象でもあります。これが登場するフランクフルトショーには新型SX4も出展されるということですが、デザインの流れはそんなに変わらない。するとサイズの話になるけれど、より大柄であろうと想像してしまいます。だからあまりコンパクトではない。とすると、新型SX4が開発されていた頃に言われていた、「それをさらにストレッチしたボディ」という路線が、路線だけは踏襲されているのでしょうか。
エンジンや駆動方式に関する興味がないわけでもないですが、そのあたりに新機軸があるとは考えにくく、せめてサスペンションの構造くらいには何か面白いことやってこないかなと期待したいところです。それだって、初代エスクードのような(当時としては)思いきったことを仕込む余地など、もはやないのかも。