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  ~懲りない傾向~

オーラの力蓄えて

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「聖戦士ダンバイン」が世に放たれて40年になります。1983年はなかなか沢山の戦う人型ロボットアニメーションが様々なコンセプトで創られていますが、初期のオーラバトラーをデザインした宮武一貴さんのセンスは、呼称によって「単に巨大ロボットじゃないんだぜ」と言ってきたロボットアニメのなかでも群を抜いていると感じます。昆虫型の意匠でありながら、実はバイストン・ウェルに棲息する恐竜か爬虫類型生物の体躯・骨格から生産されているのもひねりが入っています。

巨大ロボットと言っても全高で約7mクラスのダンバインですから、当時としては随分小さく設定できたものだなあと思いますが(未来少年コナンのロボノイドというのもありますけど、そもそも最初から巨大ロボじゃない)、世界観と言いガジェットと言い富野由悠季さんの趣味性丸出しな番組にこれでもかというくらい合わせています。

2か月後に、この小ささはスコープドッグの登場で最小を譲ることになりますが、ダンバインは今もって「解」を見いだせないデザインらしく、当時のクローバーから出ていた玩具の立体造形に違和感があったり、その後出てくるプラモデルでも改造しないとこうならないというモデラーの苦闘が続いています。

ヒロイックファンタジーものに巨大ロボット持ち込んじゃってさ! などと反目する人々もいらっしゃった時代でしたが、横目で見ていると、そもそも剣と魔法とお姫様ばっかりじゃんというそのジャンルに、鎧の延長であるロボット、船と置き換えたオーラシップなど、昨今の異世界ものとはまた異なる新境地を牽引したかなあと振り返ります。