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  ~懲りない傾向~

ショート怪談「エレベーター」 和邇さんの手記075

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半年に一度の超精密検査ウイークで、先ほどエレベーターに乗ったところ、最後に小柄なご婦人が籠に入ろうとすると定員オーバーを報せるブザーがなりました。
エレベーター内は それほど混んでおらず、小学生くらいの女児を含めて9名。
操作パネルには「定員11名 750kg」の文字。
地下の駐車場に繋がるエレベーターは同時に霊安室のある階にも停まります。
さては目に見えない “ 誰か ” が乗っているのか?

エレベーター内に恐怖と戦慄が走った その時・・・・・・。

無垢な瞳の女児が母親に問いました。

「なんで11人乗れるはずなのに9人しか乗れないの?」

母親は冷静な声で答えました。

「1人で3人分重たいオジサンが乗ってるからよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

集中する九つの冷たい視線に私は思わず「どうぞ・・・」と ご婦人に場所を譲ってエレベーターを降りました。
検査フロアに取り残された私は閉じたエレベーターの扉に向かって消え入るように呟きました。

「お母さん、せめて2人分と云ってくれ」

 

 

 

 

・・・いやもう言葉の暴力に言葉もありませんが、「貴女こそデーモン族に憑依されてませんか?」(憑依され体を乗っ取られるとデーモンの体重分が大幅に増加する)と口に出さないところが和邇さんです。