なんだかんだと野次馬をしているうちに、とうとうその日になってしまいました。きわめて個人的なことを言えば、エスクードというクルマにかかわって、ことし(ちょうど今月、というか、実は89年のヘリーハンセンを発注し、判子を押したたのが今日なんだわ)21年目。
その頃、後藤選手や川添選手は、いったいいくつだったんだろう。ダートラマスターの磯田さんだって、まだこのクルマに触ってもいなかったのではないか。おそらく世羅に来てくれている仲間のユーザーさんたち誰ひとり、それがどんなクルマかも知らなかったでしょう。
僕だって契約書を見てカタログを眺めている段階で、3ATの試乗車にちょっと乗っただけの頃でしたから、たいして変わらないのだけれど、5MTの1型は8バルブOHCという凡庸なエンジンながら、車体のクリアランスさえ我慢すれば、低速トルクもなかなかの四駆の端くれでした。これが後に、一度は24バルブでツインカムの3.2リッターまで成長しちゃうんだから、世の中わからないもんです。
そんな昔話はほっといて、WESTWINの4台目、実戦投入としては3台目にあたるエスクードは、ツインカム16バルブの2.0。小型車枠では定番のエンジンに相当しますが、現在は設計変更して2.4の別ブロックになってもJ型という型番が継承されている、スズキとしては息の長い機種を搭載しています。つまりこのマシン、姿は初代なれど、同排気量のままでも2代目、3代目にもつながっている唯一の眷属なのです。これでG16Aのエスクードと戦うのは、反則というよりキャリアの差を埋めるハンデと考えていますが、それ以上に、後藤選手に託したモノは、歴代エスクードをつなぐ原点のマシンで戦ってほしいというエスク馬鹿な願いでした。
福岡でのTDAにおいては、彼自身は不本意な順位であったでしょうが、我々の期待には充分応えてくれる、デビュー戦にして表彰台の一角をもぎ取ってくれました。あれから約1カ月。いよいよJXCD第二戦の開幕です。