よもや、菅直人首相が参院本会議(15日)で、小惑星探査機「はやぶさ」の後継機に関して
「実績を踏まえその開発経費について必要な手当てをできるよう配慮したい」
と述べることになろうとは、13日の帰還まで、内閣府は薄々予想していても口にも出せなかったでしょう。
「日本の技術を世界にアピールし、いろいろな人に励みを与えた」(首相)
「非常に大きな成果を上げた。(後継機予算の概算要求について)しっかりとこれを踏まえて考えたい」(川端達夫文部科学相)
民主党の枝野幸男幹事長(鳩山政権における行政刷新担当相にして、事業仕分けのとりまとめ役)は、さらに先駆けて14日、昨年11月に行われている事業仕分けの衛星関連予算の判定について、「開発の必要性は否定しなかった」と説明しています(記者会見報道)。否定は確かにしていないけれど、この評価をあらためて読み直せば、事業に関する評価というより、むしろ財政難における右へならえを突きつけているのではないかと感じます。まあそれも理屈ではあるわけですが、続いて15日にも「もう少し工夫すれば、少ないお金で同じ効果を上げられるのではないかという議論だった。成果につながることを続けることは、決して否定していない」という抽象論。それならば評価の仕方は「その工夫について出来ることをレポートしろ。評価はそれから」と言っても良かったのではないか。仕分けにおいてJAXAが呼び出されたのは昨年の11月17日でした。はやぶさの制御に関して、帰還に至る可能性に目処が付いたのは、呼び出しの数日後ではなかったでしたっけ?
それにしても驚いたのは、このほど管内閣で行政刷新担当相に任命された蓮舫さんの、仕分け評価に対する15日の見解で、
「(仕分けの判定は)何が何でも守るべきものではない。いま一度、議論の流れを確認している」
ええっ? スーパーコンピュータの時にも聞いたような気がするけれど、あなたがまたもそれを言うんですか? 上がった舞台ではしごを下ろされたような立ち位置になっているのはわかる。しかしあなただけは「国家の財政というものが基軸なんです。ここで予算案自体に再考は認められない。ぎりぎりまで待っていただき、補正予算が組めるものかどうかの議論をしたい」くらいのかわし方をしないといけない。いやさ、本来なら「結果は結果として評価しますが、決まったものは決まったものです。財政難の観点から、縮小の指示は変わらない」と言わなくては・・・
僕は、「はやぶさ2」をはじめとした宇宙開発を否定しているのではないです。彼等こそ、宇宙という言葉と、SFと夢物語を混同している。その見識によって振る舞ってきたとはいえ、閣僚たる立場の人々が、こうもたやすく手のひらを返すという威厳のなさにあきれており、そんなことなら昨年の仕分け以降、やることやってるあらゆる組織・団体の事業をレポートさせるべきであり、仕分けの評価を評価するために、国会の予算委員会を使って議論しなくてはならないのではないかと思うのです。党内幹部や議員のスキャンダルのもみ消しなんかやってる場合じゃないよ、いっぺんくらい、予算のための予算委員会をやってみろよと憤慨しちゃうのだけれど、今国会は本日閉会。