vsなどと、わざわざ銘打つこともないのですが、一年ほど前に、全く知らないもの同士が偶然にも、同じ素材を手に取っております。1人は漫画家の長谷川裕一さんで、勇者ライディーン35周年という看板を背負っての「ゴッドバード」の連載が始まりました。
いや、こんな書き方をしていますが、実際にはどこの雑誌に載っているのかも知らないのです。未だに、です。例によって単行本を書店で見かけて知ったというのが正直なところでした。
その頃、こんな漫画連載が始まっていることも知らぬまま、というよりは実際にはもっと前に、「バイクからロボへ」の変形造形について、「雑兵とマジョリティ」の早瀬五郎さんにリクエストをしていたのであります。その当時、五郎さんは「変形スカイゼル」に取り組んでいましたから、すでに3年前です。その後、バイクからロボへ変形するための基本シークエンスがまとまり、CGとしてコンセプトが語られたのが、昨年でした。
「スカイゼルが、航空機、ミサイルという変形を果たすコンセプトから、設定身長が大幅に大きくなってしまいました」
スカイゼルの造形にあたって、五郎さんの悩みはそこにありました。前作のグランゼルも、設定身長と変形する対象の件から、オリジナルよりも大きなものとなっています。車からロボですから車の大きさには当然なるわけです。これが航空機となれば、スカイゼルは言わずもがなです。
「デザインはロボから入ったとしても、その大きさのことを考慮しないで済むもの。変形前後のあっちとこっちが、誰でもわかりやすいものとして、素材はバイクから始める」
この提案をさせていただき、素材には「勇者ライディーン」に登場していたスパーカーを取り上げることは、最初に決まっていました。何に変形するのかって、そりゃもう、ゴッドバードしかないじゃありませんか。ライディーンなんかに変形したり巨大化させたりしなくていい、あくまでスパーカーが飛行形態に移行する機能を持たされた。というコンセプトで、この計画はスタートしたのです。
今回、別のロボ造形が完了し、五郎さんのメインの仕事がこの変形するスパーカーに固定されたことから、五郎さんのブログにも専用カテゴリーが立ち上がりました。名付けて「ゴッドスパーカー」。ベタなネーミングですが、それは僕が付けたからで、五郎さんのせいではありません。そしてカテゴリーが立ち上がった時点で、変形シークエンスはすでにCGではなくモックアップの段階にまで進んでいます。どんな仕上がりになっていくかが楽しみです。あっ、でもこのバイクの基本設定を、グランゼルのときのように肉付けしなくちゃいけないんだよ。