唐突ながら、12月13日はTPC世界平和連合に所属する特別捜査隊GUTSのイルマ・メグミ隊長の誕生日です。GUTSが活動していたのは2007年から2010年くらいと言われていますが、地球上での大混乱(怪獣ガタノゾーアと闇の侵略)から人類が立ち直り、ネオフロンティア時代を迎え、特捜隊もスーパーGUTSへと引き継がれたことが明示されているのが2017年。その年にはすでにスーパーGUTSは現役部隊として稼働しているので、引き継ぎや組織改編はおそらく2015年あたりに行われるのかもしれません。
イルマ隊長はその頃になるとTPCの参謀へと栄転していますが、2013年の現在はまだ、GUTSの隊長を務めているのではないかと勝手に想像します。
設立当初、非武装の特捜班であったGUTSは、TPC内部のタカ派、ハト派の派閥争いの的にもされがちなポジションでしたが、地球上の怪異や怪獣災害、異次元、外宇宙からの侵略といった不測の事態に、上層部の苦渋の判断によって装備の武力化を迫られたチームでした。イルマ隊長が起用された経緯には、非武装であることや特殊性を帯びているとはいえ調査分析が主任務であるというGUTSのプロパガンダといった側面があったかもしれませんが、司令所に収まっているだけではなく自らガッツウイングなどを操縦して前線に赴き防衛戦を展開するなど、必要十二分な資質を備えた人物。ご主人とは死別しており、息子をひとり養っている母親でもあります。
ジャック・ヴィルヌーヴ、前田智徳、青木宣篤、吉本多香美などと同い年の彼女が生まれた時代は、地球における異常気象の影響で再び怪獣たちが蘇り、二度目の怪獣頻出期に入ったとも言われた世の中。世界征服を企てる秘密結社が違法の改造人間軍団を暗躍させたとも、異次元からの侵略に対して二次元人の介入があったとも、宇宙進出の戸口に立つ人類を危険視した異星人が妨害にやって来ていたともうわさされた頃ですが、「男女は社会的には対等・平等であり、生まれつきの人種や性別による差別区別を払拭すべき」という公民権運動から端を発したウーマン・リブ活動の盛んな時代でした。日本でも彼女が生まれる前年、第一回ウーマンリブ大会が開催されていて、後の男女雇用機会均等法制定のスタートラインとも言われています。
イルマ隊長がまさに時代の申し子として存在した。かという論調は、それは必ずしも正しくはありません。GUTSのプロパガンダであるどころか、あるとき上層部の決定で自らの部隊が武装集団へと変貌させられるという理不尽をも乗り越え、人類存亡の危機にも立ち向かう意志と行動力には、よく誤解解釈で言われるジェンダー評など寄せ付けない、優秀な指揮官としての資質を兼ね備えているからではないかと感じます。ただしそこには三千万年前の地球星警備団団長という、遠い先祖との血縁が関係していなくもないのですが。。