ボトルキャップの猛威とともに我が家(家、なのか?)に巻き起こっていたもう一つの嵐が、当時バンダイとマテルが提携し企画されたキャラウィールでした。マテルのブランドであるホットウィールに、内外の特撮・アニメーションビークルをコラボレーションするという、ありそうでなかったミニカーシリーズの誕生でしたが、特撮・アニメファンとホットウィールファンとは必ずしもすべて同心円で括れたわけではなく、双方の事情によって比較的短命に終わったシリーズです。僕はといえば、ホットウィールはさらに昔、親に刷り込まれた名称なので正確なのかどうか知りませんがホットホイールというブランドで集めた時代がありました。
これが現在のホットウィールと異なるところは、割と当時の実物外国車に近い、さほど奇抜なデザインもペイントもしていなかったところではなかったかと記憶しています。
そのせいか、ホットウィールの発想にはちっょとついていけず、ミニカーの分野はスケールものに移行し、キャラクターものはそれぞれのトイにと分離していました。短命とはいえ両者を結びつけたキャラウィールは、それまで世に出なかったアイテムにも光明の差すグッジョブな企画ではあったのです。ただ、版権のことを考えると、ホットウィールの低価格帯でこれだけの設計や金型興しと生産というコストは、メーカーサイドの負担も大きかったのではないかと思われます。
という応援心に火が付き、これもまたコンプリートの道を目指したのですが、新世紀GPXサイバーフォーミュラのアスラーダGSXに、量販仕様とは異なるブースト仕様が企画され、あろうことかこの商品は同番組のDVDボックスに付属する初回特典となったのです。いやいやいや、それを手に入れるためにすでにVHSで揃えちまった番組と同じソフトを、32000円のDVDボックスで買うというのは、試合に勝って戦に負けるようなものではないか。と、涙を呑んでコンプリートを断念したのであります(大げさな話だ)
この大人気ない憤りが、量販品として買ってあったアスラーダGSXの分解に差し向けられます。えいくそこのやろうっと解体をしてみると、樹脂部品などは接着してあるわけでもなく容易に脱着でき、ボディとシャーシもわけなく分離できる。そうしてバラバラになった部品を観察していったら、ほんの少しの改造で、ブースト仕様への変更が可能ではありませんか。そればかりか、別のアイテムで買ってあったアスラーダの玩具からパーツを移植すると、企画商品にすら無いラリー仕様も作り出せるのでした。
完全版とはいかぬまでも、ブースト仕様、ラリーアスラーダに極めて近いものを完成させると、よこしまな根性が芽生えてくるのです。人造人間キカイダーのサイドマシンは良いけれど、ジローがキカイダーにチェンジする前のサイドカーはもっと良いじやねーか。とか、新1号になってからの本郷猛が変身前に乗っていた変形前サイクロンがあってもいいじやねーか。とか、マッハロッドの後期型を前期型と並べたいじゃねーか。とか・・・
しかし手を付けたものの完成していないものも多々あり、それらは駆動系などごまかしのきかない部分の処理に決め手を得られないまま放置状態。ふたり鷹に出てきたバトルホークの「新型」やら、村枝版ライダーマンマシーンのドラッグスターなど、いつかどうにかしたいと思いながら日の目を見ていません。大人気ない威信も案外たいしたことないんです。