昨日の「バッカス三世」はイオンエンジンでしたが、プレアスターあるいはリアベ号もしくはエメラリーダ号(僕は乗り物に「号」とつくのは陳腐だと思っているのですが、今回は号をつけないと人物と混同してしまうので止む無く付けます)は、さらに進んだ光子帆船スターライト号・・・よりも、たぶん進んでいます。出発地から照射するレーザーを帆に当て推進力としたのがスターライト号で、恒星が発する光やイオンなどを帆で反射し推力に変える「ソーラーセイル」の発展形です。
しかしプレアスターの場合、帆で受けた光をエネルギーに変え、エンジンの動力源とするということなので、帆が直接推力を発生させるわけではなく、エンジンが働くという点で、より強力な推進力を持つ外宇宙航行船舶と言えるでしょう。後に横浜の港から、日本丸もM78星雲に向けて飛び立ちましたが、あれなんか超空間航法も備えていました。プレアスターもきっと、それくらいのスペックを有していると思われます。
とまあ、船の話は書きたいけれど、映画の方はもう冒頭に流れる「エメラリーダのテーマ」曲とこの船以外は語りようもないとほほな出来栄えなので、すっとばします。でも誰が何と言おうと、プレアスターは古今東西の宇宙船の中でも群を抜いて優雅で美しい。これは「宇宙からのメッセージ」の企画スタッフに、石森章太郎(当時)さんが参加していたことと、東映では昔、石ノ森さんがかかわった「空飛ぶゆうれい船」があったからこそのデザインワークスでしょう。
東映直系の宇宙帆船には、ゴーカイガレオンなる真っ赤な海賊船(黒いでかいのもある)があげられますが、母艦だけならまだしも母艦並みの大きさのゴーカイマシンを搭載していたりそれらがドッキングして巨大ロボになったり、破天荒すぎてその動力源や航行システムのすべてにおいてわけがわかりません。持ち主がゴーカイな奴らですから、細かいことを気にしていたらきりがないのですが。
そんなわけで、強引に宇宙帆船は美しい。日本丸だって出港しちゃったんだから、宮城県にあるこのガレオン船も、いつの日か太陽風を受けて飛び立つ日が来てくれないものかと想像してしまいます。