技術やノウハウは何年経っても役に立たないということはない。だから今、オフローディングハウツームックが出てきても邪魔にはならないでしょう。
ただ、今回僕のところに送られてきたこのハンドブックは、時代の趨勢に沿ったものと言えるかどうか悩むところです。ここに書かれているノウハウは、オフロードコースにおいて駆使する分には何も問題ないけれど、そのまま野外に持ち出してということなら、「これをやってはいけない」ページを割くべきです。
かつて4×4マガジン誌などは、四駆がフィールドを走ることについての社会的責任について、丹念に警鐘を鳴らし助言を怠らなかった。だからといって、四駆は危険な乗り物だ、などという物言いは僕自身「自動車全般そうだろう」と否定しますが、フィールドから締め出しを食らうようなことはしてはならないという4×4マガジンのスタンスには共感があります。
この手のハンドブックは、今だったらそこにポイントを置かなくてはならない。もちろん日本ジムニークラブや有志は相模川などのゴミ拾いボランティア活動も展開し、四駆が走れる場所の社会的責任に基づく環境維持を行っていますが、ならばこそなぜ、そういった助言をノウハウの中に盛り込まなかったのかが残念です。