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  ~懲りない傾向~

まれびとの行方

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オーストリアやドイツの東、東欧あたりでは、今日は「クランプス」が出てくる日だそうです。なんだそいつは?と紐解くと、聖ニコラウスが子供たちにプレゼントを配って歩くのと対照的に、プレゼントをもらえる資格もない悪さをしていた子供たちを脅し懲らしめる伝説上の生き物らしい。それってなんだか、なまはげの言動に似ているところがあるなあと思いましたが、両者を同列に語るのは無理やりの誘導だという意見もあるので、ほどほどにしなくてはなりません。

クランプス自身も様々な形相のようですが、角が生えているという意匠的類似点と、悪さをした子供に罰を与えるところから、共通の存在に思えるのでしょう。そのなかで、なまはげには際立った特徴があり、彼等は「来訪神」「まれびと」と呼ばれ、限られた一定の時期に人間の前に現れる。クランプスのような土着の伝説とはちょっと異なるのです。あくまでも神であり、その形相に関わらず「鬼ではない」というのが彼等です。仮面ライダー響鬼の立場がありません。

角生えてて、来訪者で、善業を諭す超自然の存在。といったら、「鬼ではなく、神でもない」ことを断ったうえで、勝手に思い浮かべるのはウルトラの父です。悪い子に罰を与えたかどうかは知りませんが、彼は2度目の地球来訪の際、サンタクロースに扮しているくらい、地球の西洋文化に精通しているのです。更には月から逃亡した怪獣に、正月向けに餅つきの手伝いをさせる。うーん、無理やりつなげるなと言われても、これはすべてのまれびとをつなげたくなっちゃいます。

だけど、なまはげなんて案外愛嬌があるし、日本全国に点在するまれびとのいずれもよく見ると異形であってもつい親しみがわくのですが、西洋のこの手のモンスターぶりはどうしてこれほど嫌悪感丸出しにするのか。そりゃこれで脅されたら子供なんかひとたまりもありませんわ。今や虐待というモンスターが矢面に立ち、体罰自体が違法となった世の中だけに、まれびとたちには善行は善行、悪行は悪行だと、世代を問わずに罰を与えに現れてほしいものです。

・・・俺んとこに真っ先にやってきそうだな・・・