５年ごとに同じようなことにならないよう書き続けてきたら、さすがにもう引き出しが空っぽです。年老いて情熱が薄れたのかもしれないし、もう俺の出る幕じゃねーよというさとりかもしれません。
否定派で始まり、デビュー１年後の限定車にノックアウトされて始まったエスクード歴だから、僕の場合まだ３４年でしかありません。
でも、年数じゃないし走った距離でもない。このクルマが良い、と思ってくれたら、それでもう十分なのです。そんな共通の思いを持つ人々が、ずっといてくれることは、一ファンにとって心強いことこの上ないのですが、まあなんというかこういう地味な活動だとメーカーは見向きもしてくれません。いやいや、それでいいって言ってるじゃん。
世の中のＳＵＶという市場ジャンルは、そろそろ飽和しているのではないかと感じます。僕に言わせりゃただのハッチバック。市場価値とブームが過ぎ去ったとはいえ、クロカン四駆の台頭した時代は、個性の塊ばかりでした。そこに斜めから切り込んだエスクードが、まさかＣＣＶからＲＶと市場を開拓し、ＳＵＶジャンルの礎になろうとは思いもよりませんでした。
じゃあクロカン四駆ってそんなに偉いのかよ？ という思いも持っています。そもそもクロスカントリーってなんだよ？ どろどろごつごつのフィールドを走破するのはまあ面白いけれど、ジャンルというよりその車の性能の一部で、普段使いにはあまり縁がないのは事実です。そんな中で、エスクードの出自はニッチで半端な領域にあったからこそ、普段使いの幅が、多分ですけど並み居るクロカン四駆よりも広かったのではないかと、袈裟伐りの逃げ口上をしてしまうわけです。
それが、ＳＵＶの戸口であったかもしれないけれど、やはり乗り手の個性を引き出し、車自体に個性をもたらす出会いでもあったはずです。
個性の塊を氷解させ、底辺を広げたというのは功罪双方の見方ができます。一時的にカタログ落ちした事実は残念なことですが、３５年も続くブランドには二代目以降世の中が厳しく立ちはだかり、生き抜くための模索が代替わりの原動力になっているのでしょう。さて５年後、エスクードがどんなことになるのか。地味に見守って行ければと考えます。
クロカン、SUV、RV…私にはそのジャンル分けがよー分からんし、エスクードがどれであってもいいと思ってます。なんだかカレーライス、キーマカレー、ドライカレーなんかと一緒で、どれもカレー味で美味しいじゃんって感じです（笑）。
どろどろごつごつはエスクードと出会ってから楽しさを覚えましたし、普段使いには縁が無いかもしれないですけど、こちらでたまに降る雪程度ならスタッドレスじゃなくてもエスクードでの移動は可能なんです（絶対安全とは言いませんが）。
都会みたいに車がだめなら電車でなんて選択肢がなく、車移動がほぼ必須のこの地域は、そのたまにやってくる「縁」を乗り切ることもとても大事なんです。
FF車でもスタッドレス履けばいいんですが、雪国みたいに冬になったから履き替えようなんて人はほとんどいないですし、そういう県民性だからたまに降る雪の時はあちこちの道路の真ん中で動けなくなるんです。
それとは逆にこちらでよく降る豪雨なんかでは四駆だとさらに安定性が増すので、本当にエスクードに出会えて良かったと思ってます。
さらに言うならば普段使いで四駆の切り替えを意識しなくてもいいALL GRIP搭載の四代目は本当に自分に合っていると思ってます。
ただフォルムは初代のような角張っている方が好きですが…。
服の流行りが数十年毎に巡るように角張った五代目のエスクード（ALL GRIPは搭載で）、出てこないかなー（笑）。
三代目からは市場のニーズを反映させたクルマづくりになったと思います。しかも性能は総じて上がっているわけで、ことさら文句を言っても仕方が無いなかで、初代の秀でたところは別格に評価されるようになりました。
やは歴史的インパクトやドラマがあったか有るか、という要素は無視できないとかんじますね。
でもおそらく、９０年代のユーザーほどに、今のユーザー層がそういう感覚で何かしらやろうとする熱意をクルマに持つかな？と思うわけです。
エスクードの崇高なコンセプトをスズキからパクってカムリベースのプラットフォームから太ったステーションワゴン見たいなRAV4を仕立て上げたトヨタが罪の所在だと思います。
エスクードや他のRVだけで盛り上げていればもっと健全で素晴らしい市場も創造出来た事でしょう。
次期型エスクード、スズキの得意とするASEANや中東と言った発展途上の海外市場でもニーズはだんだんと贅沢志向になっていて、スズキジムニーの次が欲しい、なんて言われてます、つまり初代からインスパイアされた新型エスクードの登場も夢では無いって事なんですよね。
トヨタは最初、スターレットを改造したクロカン試作品を作ったことがありましたが、あの方向だったら多少の野蛮さが演出できて、ポストクロカンのジャンルを生んだかもしれません。
今後の海外におけるジムニー評価の先に何が来るのか興味は尽きませんね。メーカーがそれを我々嗜好で気付いてくれたら良いのですが。