律儀なんだか嫌がらせなのか(さすがにそれはないか)先日、連載の打ち切られたスーパースージー138号(本日発売)が送られてきました。毒づいてもせんないことですが、ページ減(それほどでもなかった)とコスト縮減なら、ジムニーロードに2ページ割いたり、今や目を覆うばかりの絵柄に変貌した漫画家の数ページに原稿料なんか出すなよと言ってしまいますほど、エスクードの話題はなくなり、載っているのはWESTWIN川添君の三代目ショートのみです。
載っていないならここに掲載して、せめて取材に協力してくださったぴるりさんとクロさんへのお礼に換えたいと思います。エスクード誕生35周年の締めくくりはこうなる予定でした。
ワンオーナーで30年
初代モデルは型を重ねるごとに改良を加える一方で、各部のコストダウンも増加していった。コストダウンは構造材の簡素化などがあげられ、四型から加速したと云われている。つまり初代モデルは三型の完成度が最も高いことになる。その三型が、ほぼ1993年式に集中している。二型から登場したノマドに関してはまた別の時系列があるが、ハードトップとコンバーチブルなら三型の中古車を探せとまで90年代当時は語られていた。
今や同型の個体を見つけ出すことも困難だが、当時物を手放さないオーナーも存在する。今回はハードトップ、ノマドそれぞれの所有者にワンオーナーで30年乗り続けることの本音を聞いた。
ハードトップを所有するクロさんは、就職の際に通勤用として5MTの新車を手に入れた。高校生のときに偶然見かけた小型の四駆を見初めていたという。
「姉に、『ジムニーじゃない、スズキの四駆って何?』と聞いたら、その車はエスクードだと教えてもらえました。初めて運転するのに大きさも取り回しも良くて、『この車』が欲しかったんだ!と感激しました」
日常の用途は通勤。しかしクロさんの行動半径はどんどん広がり、関東一圓、信州、東北を訪ね歩き、寺社仏閣巡りからカフェ探訪、美味しいベーカリーなどをツーリングコースに組み入れている。25万キロを越えたハードトップは、アイドリング不調やスイッチ類の故障が目立ってきた。
「5年前、エスクードのイベントに、初めて参加したんです。自分では調べられないようなトラブルの解決策や部品の提供などを受けることができて、思い切って参加して良かった、やっぱりこれからも乗り続けたい!と思えました」
彼女は初級オフロード走行も始めた。緩傾斜のヒルダウン、緩めのモーグル、キャンバーはマスターした。足回りの伸縮状態などもライン取りと共に目視で確認する。
ぴるりさんは、サンルーフ仕様の5MTノマドを新車購入した。用途は週末、休日のアウトドア活動のためのトランスポーターとして、その都度車載装備を積み込んで海へ山へと出かけて行く。
「カタログに載っていた、真上からのシートアレンジに見惚れて、試乗もせずに買ってしまいました。車体の構成が絶妙のサイズなんです。シックスライト・ウインドウを実用でも体感できる室内空間もいい。一つ不満があるとすれば、パワー・トルク共に非力です」
現在14万キロを走らせ、コンディションは良好だが、やはりエアコンの故障やスイッチ類の動作不良、排気系の触媒トラブルを経験している。
「やれることは全部やろうと、2016年に車全体のリフレッシュ整備を行いました。三代目にはちょっと移り気したけれど、他に乗り換えたい四駆も無かったし、5月登録のクロさんがまだ乗るというなら、10月購入の僕も弱音を吐けませんね。『ワンオーナーで40年』を目指しますよ」
お二方は偶然にも、2018年のエスクード誕生30周年イベントにて初参加された。ぴるりさんのノマドは当日の参加者たちから「今になってこれほど状態の良い個体が現れるとは」と注目を浴び、昨年のミーティングでも猿ヶ島のガレ場を悠然と進んでいた。
取材協力 どんぐり11(笠間市)
取材のための各種お手配や原稿作成、
入稿後の急な打ち切り連絡とその対応等々、
一番ご苦労なさったのは雷蔵さんですから…
日の目を見られなかった原稿をこちらに掲載してくださったことで、
密かにエスクードクラブの記事も楽しみにされていた方々の目に
届くと良いですね。
「エスクード」と言っても「どういう車?知らない。」
と返されることが殆どですので、
スーパースージーがジムニー一色になりつつあるのも
時代の流れなのでしょうが…
自分にとっては何年経っても、
やはり初代エスクードが一番です。
ありがとうございます。
いやなに、この掲載はハライセみたいなものです。先方は段取りから入稿までの手間暇なんか毛ほども気にも留めていませんから。
今考えると、72回一切原稿料貰わなかったことで遺恨も残さずせいせいできます。
なんかもうラ・マンチャのおっさん気分ですね。
次期型スズキエスクードも原点回帰すると大ヒットしそうですね。
丸目の本格4WDスタイルのスズキジムニーに角目のSUVスタイルのスズキエスクードはラインナップとしても強いと思います。
丁度トヨタ70ランクルと250ランクルとか昔の三菱ジープとパジェロのキャラ分けとか参考になりそうですよね。
スズキの考え方としては、660と1500のジムニー(軽と小型車)でそれをやろうとしているので、エスクードに原点回帰という発想は、開発側に個々のイメージがあってもGOを出せないでしょう。
ただ、流行に背を向けられないのもメーカーの心情だと思います。今のSUV攻勢がどこで廃れるか。廃れたときに背の高い押し出しのあるデザインが戻ってこられるか。だけどそのとき、90年代を満喫した世代がまだクルマを購入できる財布でいられるか。
うーん・・・残念ながらそれが10年後に実現するとして、僕は財政的な余裕なくなってますねえ。