17日に大牟田で開かれたTDAタイムアタックに臨んだTeam WESTWINですが、川添選手のパジェロミニと後藤選手のエスクードは、三菱勢、スズキ勢の群雄割拠する中、デリカ、パジェロ、ジムニーとトーナメントを繰り返して準決勝に勝ち進みました。準決勝における川添選手の対戦相手はパジェロ・エボリューション。まさしく牛若丸対弁慶の図式ですが、ここを崩さなければ決勝はない。
なにより、準決勝もう一組には、後藤選手のエスクードが勝ち残っている。ベスト4入りしようとも、第3位に甘んじるわけにはいかないのです。
その思いは、後藤選手もまた同様。彼の対戦相手は、島監督が送り込んできたというJB33W。エスクードにとっては、ジムニーシエラはやはり突き崩さねばならないカテゴリーです。
「まあどうなんでしょうねえ。川添君は場数を踏んでいますが、後藤君は・・・みるからに緊張でガチガチですねえ」
「二人とも決勝に勝ち進んでほしいけれど、決勝はどちらかが勝ち取るものですよね。でも車のコンディションから考えても、後藤君がミスをしなければ、優勢なのかなあ」
「今回は、ストレートもありますが3速を多用するコーナー勝負のコースレイアウトです。そこをいかに攻略するかにかかっています。メリハリのある加減速のできるドライバーなら、速く走れるはず」
などという対話の間に準決勝はさっさと済んでしまい、遂に実現する同門対決! ことし最後の大一番に、とうとう川添対後藤のカードが巡ってきたのであります。パジェロミニは、ピストンリングの磨耗で出力が落ちていながらも、エボリューションを下してきた。排気量では圧倒的に有利のエスクードは、相変わらず例のぼろぼろのタイヤのまま(まだ使っているのか!) この勝負はコーナーで川添選手、ストレートで後藤選手のアドバンテージが入れ替わり、ゴールしてみれば約2秒差でエスクード。後藤選手の初優勝となりました。
二人ともよくやってくれました! こと川添選手は、毎回ハイパワー車を相手にドラテクと闘志によって戦い抜き、疲弊しきった車をここまで引っ張ってきたのです。2位というリザルトには悔しい思いが残ると思われますが、他チームの強豪を寄せ付けない締めくくりをやってのけているのです。島監督は来シーズンに向けて、パジェロミニのエンジン載せ換えを決意したようです。そして、パジェロエボから慣れないエスクードに乗り換えて初シーズンを走った後藤選手も、これまでの一戦ごとの経験値を確実にものにしてくれました。
「例によって私は褒めてやりませんので、せめてねぎらいの言葉をかけてあげてください。後藤君はコースレイアウトに味方してもらったという要素もあります。しかし、彼らと同等以上のレベルにあるつわものたちが、気負ってコースアウトというミスをやっているくらいですから、彼らはよくマシンをコントロールしたと思います・・・あ、後藤君は土手に乗り上げてたっけか?」
島監督はあれこれ言っておりますが、もう嬉しそうな声を隠そうとしません。川添選手、後藤選手はそれぞれ
「負けてしまいました! 来年は車を完全にして後藤君を打ち負かしたいです」
「皆さんに応援していただいたおかげでここまでこられました。ありがとうございます!」
とのことです。年内は練習走行会を一本こなして、ストーブリーグ。なにやら福島県への遠征もあったらしいですが、それは取りやめになったという残念なお話ですが、また来シーズンの彼らの活躍が楽しみです。