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  ~懲りない傾向~

休息日

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南米を走るダカールラリーは、全行程9500キロの折り返し点にあたる休息日。アルゼンチンのブエノスアイレスをスタートし、ペルーとの国境に接したチリ最北端の港湾都市アリカに到達しています。チリ、行ったことはありませんが、アタカマ砂漠という世界でも最も乾燥した砂漠を越えると、アリカは人口約18万人もの州都。なんだかとてつもないコントラストをイメージさせられます。

でもってこちらは、松本大洋さんの「点&面」。アフリカ時代のまさしくパリ・ダカールラリーを描いた漫画なのですが、作者自ら「面白くないから単行本化しない」と宣言しており、全11話は幻となっています。

ご自身に「面白くない」と言われてしまうと、もうどうにもならないのですが、内容はパリ・ダカールラリーに出走している日本人青年(兄弟)と、彼らが走らせる「意思を持った」ラリーマシン・モリタ号の、破天荒な道行きです。

このモリタ号が、よくよく見ればエスクードであることは、部分部分が実車とは異なる仕様に改造されたものだと解釈しつつ、お分かりになるでしょう。Sマークだってちゃんとついています。モリタ号は理不尽な扱いを受けたときには拗ねて動かなくなりますが、その名のごとく?熱血の意思を持っており、とにかくひたすら走り続け、しかしどうも最終回の流れだとゴールはしていないようです。

作者自ら封印してしまった「面白くない」漫画の扱いを受けているものの、雑誌連載されていた1990年当時、パリ・ダカールラリーに参加するエスクードは1600ccの01シリーズです。

おそらくオーストラリアンサファリなどの車両が作画の参考になったと思いますが、松本さんや編集の人は、きっと「これかっこいいよ。パジェロやテラノやランクルじゃつまんないし」と、この車を(ストーリーははちゃめちゃですが)選んだのではないでしょうか。そして、記憶に間違えがなければ、登場人物の兄弟は、尾上茂さんよりも早く、エスクードをパリ・ダカールに投入した日本人ということになります。