太陽が春分点を通過する日と満月期(月齢限界18:07)の重なる夜、以下の成分を月光にさらした日本酒(二級酒でよい)に調合し、冷やして飲む。
マダガスカルジャスミン
網笠百合
桜蘭
天然氷
効能:浮かれ出す。
マダガスカルジャスミンには自惚れの効き目、網笠百合には、努力の源、そして桜蘭には人生の出発といった心理作用が働く。
ただし、酔いは永遠に醒ますことができないため、これを試すには運転免許資格の放棄を決意しなくてはならない。
一方、酔い覚ましの作り方として、
コスモスの白
バロータ
イチイ
月光にさらした夜露
を、秋に太陽が春分点を通過する満月の晩に調合し、これを人肌に暖めて服用することとも記されているが、月光密造酒を試した者はその浮かれ具合が心地よいため、酔い覚ましを拒否してしまうことから、効能があるかどうかが認められていない。
いずれにしても、天体の運動に極めて狭い条件付けがあり、また必要とされる成分の調達も不可能ではないにしろ手間を要するため、この話は酒の肴程度にとどめておくことが寛容と思われる。
飲んだら乗るな、飲むなら乗るな。
出典:師匠の胡散臭い大学ノートより。