何を好き好んで雪深いところに行くのかと言えば、もちろん仕事だからなんですが、
「雷蔵さん、まだ冬限定の津軽ダムカレー食ったことないでしょう。ホワイトカレー食いに来なさいよ」
と言われたのが昨年。しかし現地では大雪警戒警報が発令されていました。
積極的に東北道が通行止めにされるんです。帰って来られなくなったらどーすんですか。
と、恐れをなして厳冬の津軽の地には足を向けられず、津軽ダムカレーそのものを食いに行ったのは4月になってからのことでした。
でもって今年。念のため言っておきますが、仕事です。カレーを食いに行ける余裕があるかどうか。なにしろ食堂は11時に開店して14時に閉店。朝、一度事務所に出て指示出しをしてから出発しなくてはならないので、どうしても仙台発10時。かなりきわどい。しかも右足骨折中です。
しかし間に合えば(もう仕事を後回しにする意志確定している)、という望みもまだある。
とにかく行くだけ行ってみよう。それで間に合わなければ土曜日の帰り際に出直せばいいのだし。←すっかりその気
人車ともに足回りをいたわりながら、こういうアクセルワークが常時できたらいつでもカタログ燃費超えてるぞと自慢できそうなマニュアルクルーズコントロールで「早まりはしないけど絶対に遅延しない」東北道の北上です。
幸いにも寒気が緩んで晴天の北東北。雪による速度規制表示は黒石から先なので、盛岡以北もがらがらの高速道路を安心の定速走行。食いたい一心だといろんなことができるようになるものです。
大鰐弘前インターで東北道を降りて県道ルートで西目屋村を目指すと、さらに広域農道による近道ができるのですが、これがVICS情報では積雪で通行止め。ここまで来て慌てても仕方がないので可能な限り短距離で進める街なかルートを選んでいざ、西目屋村!
に、入ったところで14時の時報・・・
いやいやいや・・・食堂目の前なんです。これはあきらめきれません。
「あのー・・・終わっちゃいましたか?」
だめもとで聞いてみると、足を引きずっている必死の人相風体に恐れを抱かれたか憐れみをもらったか、蕎麦(これも特産品)でなければオーケーだと受け入れてもらえて、
「だ、ダムカレーは?」
と念を押したら「大丈夫」だと。
よかったー・・・ で食券を買おうとしたら、冬季限定の見本写真がない。
あれ? と一抹の不安がよぎったものの食券を渡して待つこと数分。
「お待たせしましたー!」
元気な声とともに出てきたのは、ノーマルバージョンでした。
ええっ? 冬季限定のは??? と聞いてみたけれど、厨房はすでに誰もおらず、配膳してくれたおねいさんは先月入ったばかりで去年のことを知らないとか。
だだだ・・・暖冬の影響ですか?
どどっと失意しながら弘前へ戻って宿に入ると、
「雷蔵様、今日は眺望の良いお部屋をお取りしましたので、ぜひ午後8時前に明かりを消して夜景を眺めていてください」
「はあ。なにかあるんですか?」
「城址公園から花火があがります!」
それはあらうれしやです。
宿と弘前城址公園は直線距離で2キロくらい離れていますが、遮蔽物もなく夕方まで岩木山が真正面に見えていました。てことは公園も真正面じゃん。
ところが松葉杖持ちなので荷物は軽量化したく、カメラを入れたサブバッグは車内に隠してきてしまった。約10分も打ちあがらなかったとはいえ、ちびっちゃくも華やかな花火は、肉眼では楽しめましたがケータイ搭載のカメラで撮影しても、何が何だかわからんですな。