七時雨山(ななしぐれやま)という、いかにも目を引き耳を傾けてしまいそうな字面と響きにずっと惹かれていながら、ついつい行きそびれていたうえに、場所に至っては完全に勘違いしていたのが、その山麓にある田代平高原の七時雨山荘。
僕はそれが「安比高原にある」と思いこんでいて、白神爺。さんは、「安比高原にも七時雨山荘がある」ということを知らなかったという、あわやの待ち合わせ。いやいや、情報は持ち寄ってつきあわせてこそ性格になっていくものでして、七時雨山荘は安比にもあるし、田代平高原にもちゃんと存在するのです。
スズキエスクードとユーノス・ロードスターには、少なからず共通項がある・・・と、勝手に思いこんでいるのは僕の方ですが、それを見極めるためには、やっぱりコンバーチブルで出かけていかなければわからないだろうと、言っておきながらあまりの暑さと、いつ降ってくるかわからないにわか雨に恐れを成して、根性無しにもこちらは頭の上を開けただけでした。ロードスターが、ほぼワンタッチでがしゃがしゃと幌をたためる機構は、同時にがしゃがしゃと屋根を閉じることもほぼワンタッチ。これはうらやましいです。エスクードは、うりゃっと取っぱらうのは簡単だけれど、ワンタッチで幌掛けはできない。
両車、メインユースのステージは異なりますが、生まれてくる背景にあった「こんなやつに乗りたくないかい?」という開発者のテーゼは、けっこう似ていたのではないかと思わされます。ただ、人馬一体というコンセプトを掲げ、エンドユーザーとのキャッチボールを今なお続けているロードスター(それでもNB、NCというモデル進化には賛否があるとか)に対して、市場に迎合しすぎのエスクードは、エンドユーザーの本当の心を捉えていたかというと、どうなんでしょ?と思わされます。
そういう眉間に皺を寄せてしまうような対話をしていたのかというと、してません。天気の話とツーリングの話と、あとなんだっけ? 結局、高原に至る細くくねった登りと下りを、つるんで走って、NAのクリッピングより01Rの方が深くつっこんでいるとか(危ないだろうっ)、ストレートじゃ全然ついていけないとか(あっちはツインカムだもん)とか、そういう時間が楽しいのは、何処も同じです。