Trend-Blue

  ~懲りない傾向~

スタンダードな限定色? ~車体色その3~

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初代の11系と31系には、カタログ色が3種類しかありませんでした。白や銀や黒は特別仕様色で、スタンダードモデルには紺、緑、赤(それぞれ独自のネーミングがあります)が用意され、スプラッシュガードやバンパーの色を変えて2トーン化していたのが、この時代のカラーコーディネート。

そのうちの紺色と言われるスキューバブルー・メタリックは、ヘリーハンセンリミテッドやゴールドウインリミテッドにも応用された色でした。赤系のラジアントレッドマイカも、Gリミテッドなどに採用されています。

スキューバというのは、フランスの海洋探検家・クストー氏が発明した潜水具のひとつ。自給式水中呼吸装置のことで、「Self-Contained Underwater Breathing Apparatus」の略称であります。圧縮空気入りボンベと圧力自動調節弁付きの送気管、マウスピースなどで構成され、氏がフランス海軍に在籍していた折にこの開発を進めたのだそうです。一般的に呼称されているアクアラングというのは、商標にあたります。

ヘリーハンセンという防水ウエアから発展したソフトギアと、クストー氏のハードギアとのイメージの組み合わせが、スキューバブルーメタリックのヘリーハンセンには施されていたのです。同じ色設定のゴールドウインの立場がなくなるような気もしますが、それは言いっこなし。逆にそのような仕様設定のないカタログモデルであっても、この色のエスクードにはクストー・ブランドが息づいていたと言ってもいいでしょう。

ラジアントレッドマイカはあえて別項に持ち越ししますが、そうすると、残る緑色のダークターコイズグリーンメタリックは、実際に限定や特別仕様に採用されなかったにもかかわらず、そのことが「11、31専用色」という不思議な位置づけとして浮かび上がってきます。ターコイズ、つまりヒスイのイメージとは少し違って地味目なグリーンであったこのカタログカラーも、こういう視点で見ると際立っていたのです。