Trend-Blue

  ~懲りない傾向~

風評とともに去りぬ

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三代目エスクードの誕生から6年。時期的にはそろそろ次のモデルの影がちらついてくるはずだったのですが、リーマンショックに次ぐ国内80年周期とやらの不況も抜け出せないうちに、未曽有の大震災。間接的な影響だったとしても、これほど世の中が不利にしか作用しない車も、不幸な話だと思います。

加えて、SUVだとわかっていても、その系譜は骨っぽい四駆であってほしいという思惑よりも、ただの乗り換え車種でいいのよといった、骨っぽさなぞ不要の評論が多くなり、せっかくの基本性能にも無駄と思われかねない風評の方が主流となってきました。

これは、メーカーサイドにとっては、車づくりの転換を判断させるひとつの材料になるのだろうと感じます。少なくとも2代目のモデル末期において、エスクードに興味を持っていた人々は、この流れに乗ってしまうような車の在り方は否定していたのですが、世の中の趨勢はそうはならなかった。時代が変わったと言えばそれまでながら、2年にわたって何の動きも見えてこない次世代ということは、こりゃ4代目はないかもねえとつぶやくしかないようです。

その、あまり考えたくないシナリオを妄想するなら、市場に迎合していくためのプラットホームは、SX4をベースにした、同車のフルモデルチェンジかビッグマイナーチェンジによる、ディメンションの拡張ではないかと、以前のブログで検証したことがありました。燃費改善のアイテムとして、パワーステアリングを油圧式から電気(EPS)式にしてみたり、車重低減(軽量化)のためバックドアのスペアタイヤレスをしてみたり、なんて生易しいものじゃなくて、駆動方式がFFベースの四駆ということです。この路線で、2012年あたりが、歴代のモデルサイクルから見た先行量産開始と、まあ好き勝手に妄想したわけです。

しかしこの時点では、フォルクスワーゲンとの提携というプログラムは全く想像もしていませんでした。フォルクスワーゲンが出てきたなら、ティグアンなんかをOEMとして「これでいいのだ」とエスクード改めグランドビターラとして国内投入するという荒技があっても、抗えないなあと戦慄していたのですが、それで市場は納得しちゃうとしても、開発陣は面白くないでしょう。何しろこの「妄想シナリオの上」では、次期SX4の骨格は出来上がっているのですから。

そこで苦肉の策を加えて、次期SX4のプラットホーム活用は踏襲し、ワーゲンがエンジンサプライヤーとなる、どっちにしても面白くないかも? な路線転換も妄想してみました。そのうえ、あとからエンジン載せ替えだなどと言われてしまうと、エンジンルームや駆動系との取り回しをすり合わせなくてはならないから、それらのレイアウト変更で、開発自体が凍結になってしまうかもしれない。ブランドに弱い現代日本人の反応としては、VW印が付くことの方がありがたいと思うかもしれないけれど、この選択は、ディーラー側にとってはいやな話です。メンテナンス面で、よその機械をあてがわれることで手を焼かねばならなくなるでしょうから。

こういう妄想をしてしまうと、悪循環でしかなくなるのですが、現状、ジムニーシエラの次期モデルすら、どこかへすっ飛んでしまったともうわさされています。エスクードにおいておや・・・ 国内経済の推移と東日本復興をフォーマットとした情勢では、自社内商品として普通自動車の新型を繰り出すリスクよりも、売り出すべきモデルはほかにあるでしょう。何をプラットホームとし、サプライヤーとするかにしても、国外での先行リリースを計り、あとから国内投入という方法をとっていくのかもしれません。妄想の上で、とあらためて明言したうえで、レイアウト変更やら何やらを片付け、新型を出していくのはあと2年くらい先として、それが国内に出てくるのは2015年くらいになると・・・ それでもモデルサイクルとしては、エスクード比なら普通のタームです。いやしかし、名前だけ踏襲される、なんて考え方も甘いような気がするし、そもそもプラットホームもエンジンも、まったく別のSUVなわけですから・・・

それにしても、こんな妄想の中での現行型式3代目が、細々とでも国内販売されるのかどうか。北米と中近東には、まだそこそこにマーケットがありますが。