三代目エスクードの失速は、メインターゲットにしていた北米需要層がことごとくリーマンショックで新車購入どころではなくなってしまったタイミングの悪さでした。日本国内においては、デビュー直後の2006年あたりまでは、初代や二代目からの乗り換えユーザーと新規ユーザーが入り混じって、それぞれの視点から、かなり高いハードルを敷いての厳しい評価が対話されていましたが、ユーザー層の拡大によって、四駆としての本質を話題にする機会は拡散していき、やがてクロカン四駆の領域を語る人も少なくなりました。
アメリカでこけてしまったけれど、この車は世界戦略車だからよそで売れればいいのだ。
と、思っていたら、ことし3月に入ってきたインドネシアの友人からの連絡は、いち早く「こっちでの販売は終了になるよ」の報でした。向こうじゃAPVのようなミニバンワゴンが重宝がられていて、むしろ大人数を乗せられるニーズが必要であったようです。いやまあしょうがない、エスクードは初代じゃヨーロッパで売れたし、だから今でも日本以外じゃかつてのヨーロッパネームでグランドビターラでやってるわけだし・・・
と気を取り直せばその欧州での感想というのが
「スズキのショーグンやサムライはだめだ。なぜなら、鹿狩りに出かけても、獲った鹿を積み込めない。その点グランドビターラ(初代のノマド)はそれができた。あれはいいものを作った。だがな、今のグランドビターラは、でかすぎるんだ。長さはともかく、幅がな」
うわわ、確かにあっちの街並みだと路地裏は狭いかも。それでも、ロシアやオーストラリア、ブラジルでの売れ行きはまあまあだそうですから、とりあえず世界まだ戦略中。なのですが、そもそもが足元の母国を軽視しすぎの読み違えとも言えるのではないですか。