5型のエスクードのカタログには、少年を冒険に誘う父親の図式といったスチルが使われています。まるで昔のハムのCMを彷彿とさせるイメージですが、まさか今現在のエディターが、当時の「わんぱくでもいい・・・」の、あれを参考にしたわけではないだろうと思いますけど、逆説的に言ったらその頃と何一つものの考え方が変わっていないステレオタイプな構図でしかありません。
一方、クロスアドベンチャーの方だと、若者の男女で構成しており、ターゲットをより若い世代に変えていることは伺えます。
しかしなんだね、独身ならいざ知らず、所帯持ちの新車購入時に、奥方だとか母親だとかの姿を微塵も見せない、君は留守番してなさいと言わんばかりのカタログというのは、やはり顧客不在の発想です。いや別に家庭内でのおとーちゃんの決定権が強く復権していれば問題ないんでしょうけどね。
ところがです。オージーの発想はそうでもない。スズキ・オーストラリアのグランドビターラは、親子3人と、ペットの豚(ぶ・・・ぶた?)が、5型を使い倒しているのです。いやー、どこらへんまでウソついているんだ? とは思うものの、こっちのほうがずっと微笑ましいし、笑って許せるじゃありませんか。以前、よそのメーカーのクルマが冒険テイストと道具感覚を前面に押し出したCFでうまくいってましたが、そういうのはよそでやってもらっていればいいんだよなーと感じるし、4型で肩すかしをくらわしたインディー・ジョーンズのような宣伝投資よりも絶対にこっちの方が良いです。