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  ~懲りない傾向~

売れない先入観

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世の中結果がすべてだと言われちゃうと、もう言い返す言葉もなにもありませんけど、1台の利益がジムニー3台分だというのなら、登録車の販売はもそっと力を入れてもいいのではないか。しかしこのご時勢に趣味性丸出しの四駆が売れるのか?と、エスクードは変哲のないSUVへと偽装を施したように見えます。

今や海外でも売れていないらしい苦境の中で、売れないという先入観を払拭するのは至難の業だと、確かに思わされる話です。しかし、趣味性丸出しという車は本当に売れないのか? とも、逆説的に考えたくなります。

結論から言ってしまうと、たぶん、売れないという先入観が先に出ている。そこをはったりでもなんでもかませて攻勢に出ることは必要だろうと。エスクードに関して言えば、一番やらなくてはならないことは、宣伝費用にコストカットを続けるスタイルを、いっぺんやめることだと思います。

何がだめかって、あのへたくそなコピーとCG全開のカタログを刷新すべきで、それこそ竜洋の砂浜でもいいから実車のスチルを前面に出さなくては、伝わるものも伝わらないでしょう。さらにはもうひとり分の人件費を捻出して、おとーちゃんと息子だけでなく、その横におかーちゃんの姿も登場させなかったら、新車を買おうかという家族会議の席で、家計を管理する立場の奥方様を説得できる材料にだってなりはしません。

もうひとつは、バブル景気というだけではなく、初代がブレイクしていく流れがあったこと。アピオがオーストラリアンサファリでクラス優勝を遂げ、そのレースシーンが当時の四駆雑誌の付録カレンダーに使われ、呼応して販売宣伝広告にも採用されてからです。広告塔となる実績か、あるいは耳目を引きつける実車があるべきなのです。

いまさらダカールラリーやらどこぞのヒルクライムに出て行けと言う気はありませんが、たとえばその昔、スターリング・モスがフロンテSSを走らせたアウトストラーダ・デルソルでの長時間試験走行のような企画に、「あれ? 見たことないぞそんなグランドビターラ」というようなカスタム仕様と、カタログモデルを同時に登場させるのもありだと思います。どうせなら、イタリア国内だけでなく、五大陸全部キャラバンする。誰にやらせるんだという部分は、全国のアリーナ店から社員を募って、これを遂行する。別にプロレーサーやタレント、ましてやインディー・ジョーンズなんか起用する必要はないのです。

「なんだそりゃ?」という興味や好奇心、ワクワクさせるようなものを、今のエスクードの宣伝ではまだやっていない。カタログが謳っているほどに、冒険は近いところに置かれていないのではないかと思うのです。

 11月22日、追記。最近流れ始めたスバルフォレスターのCMを見て、吹き出しちゃいましたよ。一年間で五大陸10万キロ走らせるって。なんだそりゃ?