S-Crossと呼ばれていたSUVが、正式に新型SX4として世に出てきたそうで、エスクードJr?などと言われた時代から随分歳月が流れたものだと思わされました。
衝突安全基準の課題をクリアしなくてはならなかったのでしょうけれど、デザイナーが描くスケッチと、実際のモデルのノーズ周りの妥協の具合が哀しいといえば哀しくて、地味だ地味だと揶揄されながらも、これだったらその地味だった初代のラインの方が潔い気がします。
このモデルのアピールポイントは、電子制御4WDであるAllGripテクノロジーであるとか。こればかりは走らせてみないとわかりませんが、走行ステージに合わせてダイヤルスイッチを切り替えるだけと、ロックボタン(センターデフ?)の併用と、操作系はかなり簡素化されて使い勝手が向上したのだと感じます。
トランスファーレバーの切り替え選択は、それが直結四駆時代であった頃でも、どのタイミングでhighからlowに移行させるか、ある意味経験値も必要だったわけですし、場合によってはレバーを押し込むために腕力さえも求められていたことを思い出すと、SX4の初代や三代目エスクードからは、確実に楽になっているのです。もうコン・バトラーVが数十秒もかけて合体していたのに対して、バルキリーが0・5秒で戦闘機からロボット形態に変形するくらいのテクノロジー(違)
しかしこの車にわざわざクラムシェルタイプのエンジンフードを載せる意味ってあったのかと、首をかしげるのです。それをやらないと、よそのSUVに見えてしまうからか?
さてAllGRIPについて検索してくる人があまりに多いので、以下に加筆。といっても、こっちを見た方が早いです。
基本形はFFからのセンサー検知によるスリップ対応型四駆へのオンオフ。スポーツとスノーを分けているということは、ドライコンディションと雪道ではFFと四駆のオンオフがそれぞれ逆に設定されて「曲がりやすい」味付けになり、スポーツモードだと四駆状態からコーナインではFF側に移行してコーナリングし、立ち上がりで四駆に戻る。スノーモードでは発進時がFF寄りから四駆状態に変化し、コーナリングの切れ角によってリア側へのトルク配分が自動制御され、四駆状態でコーナから立ち上がりとなる。ロックモードがESPのサポートを伴ったフルタイム四駆で直結も可能。これだけ小刻みな加減速に応答するためにCVT採用。モードセレクトはダイヤルひとつで・・・というのはこれは操作性の簡素化もありましょうが、その方がメカニズム的にコストを抑えられるためだと思います。