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  ~懲りない傾向~

困った時にそれを使うのだ

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そうすると、フッフッフッフ。心配する事はない。

βカプセル・・・ではなく、背面に背負ったスペアタイヤのことです。「リアの最も後端に重たいスペアタイヤを装着するということは、言うまでもなく運動性能にマイナスな影響を与えてしまう」
馬鹿馬鹿しい。初代や二代目のV6エンジン搭載車なんて、それでもフロントヘビーですわ。

もちろんウエストウインのダートラマシンなどのように、車体全体を軽量化するためにまず取っ払うのがスペアタイヤという事実もありますが、そもそもSUVと呼ばれる以前の四輪駆動車の源流がAFVであるジープの機能性を流用していたのですから、コストやウエート理屈以前の問題です。背中にしょってて悪いかよ、と言いたい人は少なからずいらっしゃると思います。

スズキの四駆に関して言えば、その昔、社長兼会長様(当時)が「クルマの方をなんぼコストダウンしてもタイヤだけは買ってこなくてはならないというジレンマがあって」という冗談めいた談話に端を発したコストカットがあったりなかったりします。でもジムニーには例外のように取り付けられている(外しちゃうユーザーも多いですが)。安全・機能論として必須だとメーカーが判断しているからです。エスクードのことで言えば、追突されたら危険なのはスペアタイヤよりもほぼ後端むき出しのガソリンタンクの方です。

スペアタイヤの処遇は、昨今のSUVデザインに変遷していったら、タイヤを背負わせられる場所なんか無くなっているのは見ての通りです。しかし昔のゴルフカントリーや、ラリー仕様のランチァ・ストラトスのように、それでもテールエンドやリアゲート上にスペアタイヤを搭載する姿は、見てくれでも悪くない。

僕もなにをかいわんやなことを書いてますが、最近車雑誌も読まないので一概には言えないけれど、かのパンク修理剤がどのくらい役に立って、あれを使った後のタイヤなりホイールなりの持続使用にどの程度の弊害やコスト発生があるのかないのか、細かく解説したところってあるのでしょうか?

まずそっちじゃないの?

背中を押したいので前言撤回

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パジェケンさんがTD54Wのエンジンブローから再始動を決意した矢先、J20Aの構成部品もリビルド品も市場に出てこないと宣告され、途方に暮れているそうです。100万キロをめざしている彼にとって、このエンジンはどうしても直したい。その気持ちは痛いほどわかります。だから背中を押すスタンスとしては余計なことを言わないつもりでしたが、自分のことを振り返ると、100万キロなんかとんでもない領域だけれど、月からの帰還は一度失敗しているわけです。

ブローした彼のエスクードは377000キロ。月まであと少しでした。こんなに悔しいことはないでしょう。そこへきて直す手立てが無いとなれば、別の個体でもう一度トライしても、誰も非難したりしないじゃないですか。車体各所の腐食や痛みを思えば、TD54WなりA4Wなりを中古車で手に入れた方が、投資の面でも先々のことを考えても、その方が良いのではないか。

なんとか直して走り続けてほしいという意志表示をしていましたが、前言は撤回です。そのうえで、

J20Aのリビルド品もしくは構成部品、思い当たるところがあったら教えてください。

変異株とか言ったらタコ殴りに遭いそう

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インド、マルチ・スズキから、トヨタ工場で組み立てられた新型車が中南米に向けて出荷開始されたとか。

グルーブとは言っても別会社ですから一概には言えないけれど、要はスズキは小型車・登録車については日本での販売を重視していないということです。勝てないケンカはしないのか、日本にはもはやニッチなところはないと判断しているのかはわかりません。

マルチ・スズキはこれまでにもビターラ・ブレッツァを産み落としていますが、今回はサブネームのブレッツァとはわけが違い、冠にグランドをつけてきた。ハンガリー産のビターラとは格を異にしたと考えるべきなのでしょうか。しかし細部がわからないにせよ1500ccクラスの、ビターラすなわちエスクードとエンジンの基本はたぶん一緒。一緒と言ったらまあジムニーもスイフトも似たようなものになってますが、このグランドビターラとビターラは、株分けよりも異母兄弟に近い。

デザインや性能論はいずれメディアが解析していくでしょうけれど、なんともめんどくさいネーミングにしたものです。

 

Team WESTWIN Warriors#181

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スーパースージー135号のために、スピードパーク恋の浦の顛末と、ウエストウインの2023年体制について取材しているところです。掲載が3月なのでそれまでに何かの動きがあるかもしれないし、無いかもしれない。ダートラ競技TDAは、本来のレース活動管理者であるJAFに協力して傘下イベントの立場にあるため、転売により地主がころころと変わった恋の浦閉鎖問題はJAFの管理と契約体制に問題があると感じます。

今はそれを問うてもせんないので、事態の好転には期待せず、TDA自身が他所での開催地確保も含めた正念場の打開を待つとしましょう。この機にウエストウインではグレンダイザーならぬTA74Wの改良を進める余地も生まれています。そのあたりのことを、島雄司監督と川添哲朗君に伺っています。ついでに、あのワッペンの量産計画も動かそうとしております。

ところで、川添君の年賀イラスト。このTA52Wは、川添君が描いたものだそうです。知らんかったわー、彼にこんな才覚があるとは。

自慢のマシンは傷だらけ

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マミポコさんが預け1年が経過したお嬢のレストアが、いよいよ鈑金屋さんの手でスタートされました。

やっぱり沖縄本島や久米島での四半世紀にわたる運用は、ただでは済まない状態です。彼女のTA01Wに限らず、うちのもそうですけど、一度は蓋板を剥がしてみるべきですね。

「ぶった切って付け替えるよ!」

「こんな構造体用部品、送り状やシール付きで見るのは初めてだなあ」

それにしても何処から調達してくるのか教えてほしいほどのレストア用材料の豊富さ。沖縄なので九州あたりから持ってくるのでしょうか。鈑金屋さんでは、お嬢に施す新しい色の塗料も業者発注したとか。どんな車体色に生まれ変わるのか楽しみです。

一方、福島県のパジェケンさんからTD54Wがエンジンブローしたという電話が入って、あと少しで月軌道というところなのに大変なことになったと驚きました。

数日前からエンジンの音が変だったということですが、彼もまたメンテナンスや長期展望については細心の注意を払っていた人なのです。それでもトラブルが起こるときは起こる。避けられないときは避けられないものです。

彼からの電話は「V6の載せ替えにはどれくらい費用がかかりましたか?」というものでした。4気筒ならば多少価格は下がると思いますが、エンジン以外に各所の錆の進行も進み、エンジンフードはクリア塗装が剥離しているから「この際だから一切合切やっちゃおうかとも思っています」と。

「エンジンが変わってしまったら、それはもう目的を果たそうとするクルマでなくなってしまうのでは?」

「僕も同じことを考えたことがある。だけど、ある友人が『エンジンだって部品の一つだ。タイヤを変えたらもうダメと思うかい?』と背中を押してくれたんだよ」

ここから先は僕の口出しできる領域じゃないでしょう。誰にも「なぜ」「そこまでして」と言えるものではないのです。100万キロをめざしている彼にとってこのトラブルは、まず月へ行って還ってくることの中の壁の一つなのです。

シエラでなく5ドア

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味付けは異なるでしょうけれど、エスクードと同様の排気量で、今時と言われようとも5速マニュアルミッションと4速オートマチックトランスミッションという、もはや「日本になんか持ってこないよ」(現段階では)な構成です。軽規格の「ジムニー」、小型車枠の「シエラ」とも区別する「ジムニー5ドア」は、ロングボディモデルとして過去に例がなかった訳ではありませんが、おそらく誰もが「こんなのあったらねえ」とイメージしていたものと思われます。

寸法を見てみました。

ジムニー5ドア
全長×全幅×全高=3985×1645×1720mm
ホイルベース:2590mm
エスクードノマド
全長×全幅×全高=3975×1635×1700mm
ホイルベース:2480mm

見てみましたと言っても、これくらいしか情報無いのでデビュー当時のノマドと比べるしかないのですが、それみたことかというほどノマドの再現です。2000ccではなく、1600ccベースであるところが味噌。ノマドは排気量違いで全長が異なり、2000だとフェリー代が変わってしまったから。しかもあの当時「これが1500ccだったら税制的に楽なのに」と、家庭内大蔵大臣(昔は財務大臣じゃなかったの)に小言を言われたものです。

ところで、このモデルがエスクードノマドと決定的に異なる部分を持つとすれば、やはりどう見てもその佇まいやいでたちでしょう。それを負け惜しみと言われても仕方が無いんですが、5ドアはどこから見てもジムニーなのです。いやジムニーなんだから当たり前です。当たり前だけれど、その辺のどこに転がっていても何の違和感もなく、面白みもない。

こんなこと言ったらユーザー層にぶっ飛ばされそうですが、道ばたや納屋にあるキャリイと大差ないのです。思いきり仮定として国内投入されたとして、素のままで乗る人の方が圧倒的に多いだろうし、ドレスアップするにしてもほぼ昔の踏襲。「うわー、あまりにも四駆じゃないスタイルをどうやってカスタム化しよう?」と面白楽しく想像力を働かせたノマドとは違うのです。

まあね、それのどこが悪いのよ? ですよ。

さてその1600ノマドって、限定仕様で乗り出し約250万円くらいでした。仮に国内に持ってくるとしたら、5ドアはいったいどれくらいに値付けされるのか・・・

Team WESTWIN Warriors#180

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新しい体制で2023年のTDAに臨む川添哲朗選手の、新シーズン用レーシングスーツだそうです。昨年晩秋に出来上がったとか。

島雄司監督は、川添君や後藤誠司選手が若手の頃から、レーシングスーツは戦うための装束であると同時に、ドライバーとしての品格を示すものだと厳しく指導しており、彼らが上半身を脱いで腰に巻き付けるような行為は断固禁じていました。

彼らもまたその教えに従い、長年それを守り続けています。そのことを棚上げするかのように、川添君から送られてきた1枚のワッペン。もう古いフレーズですが「びっくりぽん!」(いまBS12で『あさが来た』やってるのよ)なESCLEVのロゴです。いやーこっちが恐縮しちゃいます。1秒を凌ぐ戦いの場に、TA01Wさんがデザインしてくれたこれを用いてくれるとは! 今年のレースが上向きになればと期待します。

それでも狭いと云われる理不尽

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昨年末、かわねこさんが四駆からSUVへの変遷に見る車体幅のワイド化について「ワイドボディの時代」を書かれていました。

三代目エスクードのディメンションは、北米市場にターゲットを置いたことが由来だと思われますが、まああれでアメリカン4WDに対してミドルクラス(実際にはコンパクトを謳った)をアピールしたのは失敗でした。

かわねこさんのブログを読ませていただきながら、歴代の室内長×室内幅×室内高の変遷に思い至り、ざっくりと抽出してみると以下のようになります。

初代
TA01W 1595×1275×1240mm
TD01W 1680×1310×1280mm
TD61W 1680×1310×1280mm
二代目
TA02W 1645×1335×1250mm
TD02W 1645×1335×1260mm
TL52W 1690×1335×1260mm
TD62W 1690×1335×1260mm
TX92W 2395×1355×1230mm
三代目
TA74W 1815×1500×1225mm
TD94W 1955×1490×1230mm
TDA4W 2000×1490×1230mm
四代目
全車  1960×1480×1265mm

注目すべきは室内幅(ワイド化に絡んで)で、初代と二代目比の体感として、二代目の助手席のゆとり感を思い出します。三代目なんかもう「くつろいでしまうぞ」だったのですが、10mm削った四代目でもこれを感じられます。しかし昨今の巷のSUVの肥大化を持ってくると、何処まで優位性があるのか定かでありません。

三代目ショートが最も幅広の室内だったことには気が付きませんでしたが、初代の場合テンロクノマドからV6の2500まで、1mmたりとも変化がないのは泣けてきます。まさにこの時代、小さな車体に大きな(排気量)エンジンという路線だったことも滲み出てきます。それぞれ乗ったり乗せてもらって思うことは、二代目に用意された室内寸が、コンパクトビークルとして最も理想的な数字のような気がします。あくまで主観ですが。

ちなみにですが、ハスラーの寸法を持ってくるとこうなります。

初代
2160×1295×1250mm
二代目
2215×1330×1270mm

二代目・・・グランドエスクードに迫ってる!

 

飛ぶ鳥を落とした時代

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昨年末の焚火忘年会に、エスクードОBのおしゃとさんが来てくださった際、初代エスクード、二代目エスクードのカタログや掲載雑誌、ムック本などを沢山届けてくれました。その中で目を見張ったものが、90年代のアピオによるエスクード専用カタログ。尾上会長の話では、ローダウンキットはアピオではなく別のショップが開発していたとのことでしたが、アピオもちゃっかりと自社カタログ(リーフレット)にてラインナップしていました。

圧巻なのは、ハードコピーでチラシになっていた「8インチリフトアップ」のメニューです。足回りやタイヤ、ボディリフトで合計それだけ上げてしまうという、やってやれなくはないけど無茶なことしたもんだよというオーダー表です。

先代らすかるには、このうち足回りメニューのみ組み込んでもらい、別所でタイヤを一回り大きくしましたが、ライトクロカンレベルならそれくらいがちょうどいいいじり方でした。

二兎を追う者は一兎をも得ず

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新年おめでとうございます。という割にはなんかこう、これ使っていいのか?の表題にしました。なぜかというお話をだらだらといたします。

本年、スズキエスクードは誕生35周年を迎えます。どこかの雑誌が昨年と勘違いして既にそんな記事を見てしまっての2023年は、まあいいや、ESCLEVの創設20周年も同時に進めれば。などと二兎を追おうとしたのがいけなかった・・・話ではありません。

1988年にエスクードがデビューした後、当時群雄割拠していた四駆雑誌はこぞってこれを取り上げてくれました。そのなかで、あまりにも専門的に評価され、乗用車然とした四駆の中途半端さも示唆されたのですが、4×4マガジンにおいては「スズキは二兎を追いかけ丸々と太ったウサギを手に入れた」と書いておりました(確か同誌だったとあやふやな記憶)

デュアルパーパス性能のどちらに重きを置くかで、ゴリゴリのクロカン四駆テイストは薄まっていかざるを得ませんが、結果的に昨今のSUVのクロスオーバー性を35年も前に提言し、記憶に残る1台を作り上げたと言えるわけです。これぞまさしく一挙両得、一石二鳥の逸話の始まりでした。あっ、そっちを表題にすればよかったのか。でもことしは卯年なのでそうもいかない。

そうは言っても、ゴリゴリでなくても往時のクロカン四駆から四代目のハイブリッドまで、世の中に翻弄され、時代の先取りを模索しなければならなかったエスクードは、三代目以降少しずつユーザー間の「言葉」も通じなくなってきました。初代なんてイメージでしか知らない人々が多数です。どことは言いませんがヒルクライムレース用のマシンをサーキットに持ち込んだからと言って、エスクード自体はあんな扱いに耐えられる四駆ではありません。だいたいがスズキのエンジン積んでいないし。

ハイブリッドへの移行時、世間では一時期廃盤などと揶揄しているけれど、あれはメーカー側の戦略ミスだと感じています。ブランド自体が35年続くという慶事は、やはり讃えるべき出来事だと思うのです。事程左様に二兎どころかあまりのマルチパーパスな舞台にわたって走っているのがエスクードのブランド力なのです。