そりゃもう、「なんだこいつ?」の視線があちこちから突き刺さります。Tシャツ短パンサンダル履きが闊歩するキャンプサイトで、麻のジャケットとは言え背広にネクタイのまま、サイトの撮影をやっているわけですから、どこかの雑誌か何かの取材? というようなささやきも刺さります。
そんなんですからよそのサイトに刺激を与えないよう、ストロボは使えません。使っても趣味的には好みの絵にはならないのですけど。人によっては3泊、企画者の予定では2泊の、ENCOUNTER恒例の夏キャンプです。
仕事帰りに参加するため、仕事に出たままの格好ではせ参じるイベントは、過去に何度も経験しているので、仲間たちは誰も驚きはしませんが、まあ冷静に見ると滑稽な姿ではあります。しかしちょっと耳を澄ませていると、そっちこっちのサイトで携帯電話に呼び出されては、仕事の話をしなければならない会話も聞こえてくる。なんでー、仕事帰りの方がなんぼかましじゃねーかと、言い訳がましく開き直って、焼けた肉に食らいつきます。
キャンプサイトに集まっているクルマの様相はずいぶん変わって、いわゆるクロカン四駆なんてものはいつのまにか淘汰されましたね。テントやタープ類は、売れ筋メーカーは一つしかないのか? と思ってしまうほど、どこもかしこも同じ銘柄の単色アースカラーで、どこがENCOUNTERの陣地かわからなかったのも、昔とは変わった風景。うちで所有しているブルーとオーカーのツートンカラーのテントなんか、もはや派手派手で恥ずかしくなりそうです。
ENCOUNTERキャンプサイトも、昔と比べると装備が充実して、火おこしはものの数分、灯りも充分。食材もバリエーションが豊富になって、これはありがたい成熟。自称難民キャンプと呼びならわしていたE-Act時代から10年ちょっとの月日を経て、川の畔で野営するというENCOUNTERスタイルはほぼ定着したようです。とにかく、旨い料理が食えてのんびりと世間話ができる、その得難い時間を提供してくれる背伸びの必要ないところ。だから仕事帰りの場違いな格好のままでも駆けつけていきたくなるのです。
何か不満があるとすれば、ここんとこwebサイトのレポートをずーっとすっぽかしていることですかね。