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  ~懲りない傾向~

意外な事実を聞く 後篇

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種山高原でのササキさんとの対話はもう少し続きます。

厨房はよほどの混雑期でなければ、ササキさんが一人で切り盛りしています。だから献立はそう多くはなく、手際よく作れるものに絞られていますが、それは言っちゃあだめなのよという不文律は、当然あるわけです。そしてそれを補佐するかのような、風変わりな品書きの数々。しかし一つ、気になるところがあります。

「銀河鉄道の夜、が特性ラーメンで、それとは別に、ごくふつうのラーメンっていうのがありますよね?」

「はい、ございます」

「ところが、カレーライスは、いきなり、ごくふつうのカレーなんですけど、これって以前は、ごくふつうじゃないカレーもあったんですか?」

そうなのです。現在の献立表には「ごくふつうのカレー」があるのもで、わざわざそう書いているなら、ラーメンと同様に特製の何かがあったのではないかと、そう思っていたのです。

「ああ、それはですね・・・」

ササキさんはにこにこしながらそのことについて説明してくれました。な・・・なんと、すげー意外な事実を聞くこととなったのです。

「ええっ! ということは、それはよほどのことがないと・・・というより、その条件がそろっていないと出てこない献立ということになるんですか?」

「あ、そういうことになっちゃいますねえ」

なるほどそうだったのか! おもしろいぞ種山の食堂・・・